第二十一話 ページ33
『思ひ猛りて 吾が為す業を 遠津神 固め修めし 大八州 天地共に 永遠に栄へむ』
「勘久郎！美玖さん！俺が追い詰めます！だからっ・・・」
最近、修行を怠っていたからだろうか。一つ術を使っただけでこの様だ。若干意識が朦朧としているが、歯を食いしばって持ち堪える。
「分かった！分かったから無理は駄目っスよ！」
戦っている雑音で、声が聞き取りにくい。しかし、勘久郎が自分を心配しているのが断片だけ聞いても分かった。声色がそうだったから。美玖は声こそ出しはしなかったが、しっかり頷くと、確実に次から次へと狙っていく。急所には当てず、されどダメージを負うように。
そんな攻撃をひらりひらりと、まるで花弁が舞うように避け、更には攻撃を二倍にして返してくる幼馴染。見惚れている暇など、無い。けれど、その姿が余りにも――
「美しい・・・」
誰の口から零れた言葉だろうか。
だが、確かに美しい。普段のAよりも、何倍も。
なんて、何処かの詩人は表現するかもしれない。けれど、けれどAは、
「笑顔の方がいいに決まってんだろ！？」
こんな美しさなんていらねぇんだよ！
声を、限界まで張り上げる。
その声に、一瞬、Aの動きが止まる。その隙を逃すまいと、美玖の大型人形が抑えつけた。
「陣の亀縄 羅閃巣！」
マッハ3の見えない糸が、じわり、じわりと標的へと進む。
(頼む！羅閃巣がAに触れる前に・・・！)
Aとの距離が１０ｍ、５ｍ、３ｍと確実に近づいていく。これは逃げられない様にするための檻だ。動けば最後、先程の傘下の人々よろしく、今度はAがああなる番だ。
汗が床にぽたりと垂れた。
「あぁぁ！！」
Aの声が、屋敷中に響き渡る。最後の悪足掻き、とでも言うのか、美玖の人形を蹴り飛ばし、天井へと飛ぶ。勿論、人形は粉々。綿しか残らない状態まで刻まれた。一歩間違えればAもそうなっていたかもしれない。考えただけで、嫌になる。
否、そんなことはどうでもいいのだ。Aは抜け出してしまい。また振出しに戻りだ。
と、次の瞬間。憲剛の横を青い光線が通った。
「ちっ」
速すぎて見えなかったが、どうやら勘久郎が腕を振ったらしい。道理で青かったわけだと、一人納得する。しかし、勘久郎の疲労もかなりものだ。息は切れているし、腕はだらんとしている。それでもなおその瞳はあきらめてはいなかった。立っているだけでも大変だろうに、未だ彼は戦意を鈍らせてはいない。それは、この場にいる三人に共通することだった。
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どこんじょう(処罰対象) - 弓乃さん» こちらこそよろしくお願いします！ (2019年3月22日 21時) (
レス) id: 45a23aa5e3 (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» 遅れてごめん！明けましておめでとう！ID違うけど私だよ！今年もよろしくお願いします！！！ (2019年2月3日 16時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 新年明けましておめでとうございます！今年も期待して続きを待っています！ (2019年1月1日 22時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 弓乃さん» いえいえ！ってか、じぶんのほうが頑張らなきゃいけないっていう...展開は重要ですのでじっくり考えてください！私はいつでも暇なのでいつまでも待てます！過去編は長くてもいいんじゃないかな？過去編って重要だし。頑張ってください！ (2018年12月29日 17時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» どこんじょうちゃん！お久だね。今ちょっと展開を考えてて‥‥‥全然更新できてなかったんだけど、どこんじょうちゃんがそう言ってくれるなら頑張ろうかな。有難う。感心であってるよ。過去編長くてすまんね。才能、かぁ。私なんかは全然だよ、でもありがとうね。 (2018年12月28日 17時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：弓乃 | 作者ホームページ：http://http://uranai.nosv.org/u.php/novel/mamamitu/
作成日時：2018年3月3日 20時
