第二十話 ページ30
『朝夕に 神の御前に 禊して 皇御代に 仕へ奉らむ 天神地かみ等 見添はせ』
「鋼殻顕符、玄帝武鬮」
「龍鱗顕符、青閃龍冴」
「魔軍顕符、大戯陰葬」
それぞれの霊符を構え、大きく息を吸う。
「「「急急如律令!!!!!」」」
すると、憲剛愛用の算盤が光り、玉が弾けた。
隣を見ると、勘九郎の腕は、龍の様な青い腕となり、憲剛の算盤同様に光っている。
聞き覚えのない、低い男の声が聞こえた。
【うむ。今代の主人は我の力を使うのがだいぶ早いな。かと言って、呪力が特別高いという訳でもあるまいしな。何か有ったのか?】
〔お前は…玄武?〕
声のに出さずに、心の中で訊く。
【我をお前呼びとは、また面白い】
否定をしない様子に、本物だという肯定の意味を感じ、本当に玄武を使えた喜びと、自分がいつまで耐えられるのかという不安が込み上げてきた。そんな憲剛には気にもせず、くつくつと脳内に男ー玄武の笑い声が響く。
【玄武の術は?】
暫くして、笑いが収まった玄武は短く憲剛に問う。
〔まぁ…〕
自信なさげに答える。
いつ継承しても大丈夫な様に、一通りの術は習っていた。が、実践出来るかどうかなんて、わからない。術を覚えるのは誰だって、それこそ呪力を持っていない本土の人間にだって出来るだろう。
暫く話し合い、質問を重ねた二人は、よし、とお互いに納得したのだが、玄武が最後に訊いた、今の状況については、今は、説明している時間はないと告げ、まるで昔からの友人に接している様に話しかける。
「玄武、行くぞ?」
【言わずともわかっておるわ】
短時間ですっかり打ち解けた二人は、並んで沙優を見つめた。
真剣に、真っ直ぐ。瞬きをゆっくりとする。
「陣の亀盾 絶禍!」
憲剛が叫ぶと、六角形のシールドが展開された。これで、阿月の問題は大丈夫。
『陣の亀盾 絶禍』とは、絶対防御のシールドを自動的に展開する術で、玄武の固有技だ。その為、もし阿月に攻撃がいってもシールドが展開されるから、憲剛たちは集中してAとの戦いに臨むことが出来る。
「行くっスよ、A」
一方で、勘九郎は龍の様な青い腕を伸ばしたり、振り回したり。
その攻撃を楽しそうにかわすA。
「にゃははっ!」
「そうは行かせねぇよ」
かわした先には美玖の操る大型のぬいぐるみが立ち塞がる。腕を振り上げた次の瞬間、Aはぬいぐるみの腕を切り落とした。
「そんな力があんならケガレ祓いの時に使えよ!」
悪態をつきながら他のぬいぐるみを動かす。
6000hit…だって?え?
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どこんじょう(処罰対象) - 弓乃さん» こちらこそよろしくお願いします! (2019年3月22日 21時) (レス) id: 45a23aa5e3 (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» 遅れてごめん!明けましておめでとう!ID違うけど私だよ!今年もよろしくお願いします!!! (2019年2月3日 16時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 新年明けましておめでとうございます!今年も期待して続きを待っています! (2019年1月1日 22時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 弓乃さん» いえいえ!ってか、じぶんのほうが頑張らなきゃいけないっていう...展開は重要ですのでじっくり考えてください!私はいつでも暇なのでいつまでも待てます!過去編は長くてもいいんじゃないかな?過去編って重要だし。頑張ってください! (2018年12月29日 17時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» どこんじょうちゃん!お久だね。今ちょっと展開を考えてて‥‥‥全然更新できてなかったんだけど、どこんじょうちゃんがそう言ってくれるなら頑張ろうかな。有難う。感心であってるよ。過去編長くてすまんね。才能、かぁ。私なんかは全然だよ、でもありがとうね。 (2018年12月28日 17時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弓乃 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/novel/mamamitu/
作成日時:2018年3月3日 20時