第十八話 ページ28
憲剛side
「だから、Aの中からケガレを出すことが出来たら、Aは戻ります」
――Aは、戻る。
まだ、手おくれではない。
安心する。彼女は完全に堕ちてはいないというのを知って、思わず笑みが零れた。
「ケガレを出す方法はあるのか?」
美玖が阿月に訊く。すると、手に持っていた本を何ページかめくって、ピタリと、あるページで手を止める。憲剛には見えないが、恐らくそのページには方法について書かれているんだろう。
「『鳥船行事の和歌』」
美玖や勘久郎に見えるようにして、本のある所に指をさす。
「まぁ、初心者でもできるケガレ祓いですよ。つまり、Aはケガレ堕ちになってはいない。――まあ、何とかギリギリですが」
「堕ちてんのか?堕ちてねぇのか?どっちなんだ?」
イライラしたように美玖が聞く。
「Aは
堕ちてはいません」
「そうか・・・」
ほっと、心の底から安心したように息を吐く。
「あの、作戦を、聴いてくださいませんか?」
少し遠慮気味に、阿月が言う。
「いいスよ」
ふわりと笑って勘九郎は促がす。本当に、優しい幼馴染だ。‥‥‥腹黒でもあるか。
「勘久郎君、ありがと。
コホン・・・えっと、まず、Aを憲剛君。私が合図したら開放してあげて。私が呪文を唱えますので、美玖様たちはAの相手をしてください。
そして、ケガレが出てきたら一気に祓って下さい。本当に、悪いのですが‥‥‥」
申し訳ございません、と、ペコリと頭を下げる。
「わかった」
「了解ス」
「わかりました」
それぞれ、返事をして、呪装の準備をする。
(この場合、俺らは阿月さんも守らないといけないんだよな・・・)
結界を貼ってしまうのが一番楽なんだが、もしもの時の為の逃げ道は確保しておかなければいけない。ここの部屋から玄関に繋がる道は阿月が立っているところしかない。それに、阿月の詠唱の邪魔になったら、失敗してしまう。
「おい手前ら、さっさと呪装しろ」
じろりと美玖が憲剛たちのことを睨む。
「‥‥‥?韋駄天符 飛天駿脚 急急如律令?」
クエスチョンマークが最後についてしまう。訳が分からなくとりあえず飛天駿脚を呪装したが、どうしろ、と勘久郎が視線で美玖に問う。
呆れたように一つ、溜め息をつくと、勘久郎と憲剛の霊符ホルダーを指さす。
「バカ野郎。そいつらのことだよ」
「そいつら?」
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どこんじょう(処罰対象) - 弓乃さん» こちらこそよろしくお願いします! (2019年3月22日 21時) (レス) id: 45a23aa5e3 (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» 遅れてごめん!明けましておめでとう!ID違うけど私だよ!今年もよろしくお願いします!!! (2019年2月3日 16時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 新年明けましておめでとうございます!今年も期待して続きを待っています! (2019年1月1日 22時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 弓乃さん» いえいえ!ってか、じぶんのほうが頑張らなきゃいけないっていう...展開は重要ですのでじっくり考えてください!私はいつでも暇なのでいつまでも待てます!過去編は長くてもいいんじゃないかな?過去編って重要だし。頑張ってください! (2018年12月29日 17時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» どこんじょうちゃん!お久だね。今ちょっと展開を考えてて‥‥‥全然更新できてなかったんだけど、どこんじょうちゃんがそう言ってくれるなら頑張ろうかな。有難う。感心であってるよ。過去編長くてすまんね。才能、かぁ。私なんかは全然だよ、でもありがとうね。 (2018年12月28日 17時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弓乃 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/novel/mamamitu/
作成日時:2018年3月3日 20時