第九話 ページ18
Asaido
「鈴蘭にご用がございますか?きっといななき様のことなら鈴蘭も来てくださると思うのですが…」
申し訳ございません、と頭を下げる。
「気にしなくていいよ。別にボンボンビーナの服を着てもらおうと思っただけだからね」
気にしなくていいと言っているが、明らかに本人は気にしてる。だからと言って鈴蘭に着させるわけにはいかないが。
「そうだ!場所を教えて貰いましょう!もし何かあった場合にわかっていた方が便利ですし!」
名案だとAは手をたたく。
「うむ。だが、鈴蘭たんのプライベートなところに入っていいのかね?」
「うーん……」
二人して考え込んでしまう。
すると、メイドが遠慮がちに言う。
「あの‥‥‥鈴蘭に電話をしてみてはいかがですか?主であるA様になら、用事があるので、場所を教えていただけないかと訊けば、鈴蘭も答えると思いますが‥‥」
その言葉に目を輝かせてその手があったと言わんばかりに頷く。さっきから新と動きがシンクロしている気がするのは、気のせいだろうか。
「では、Aたん。Aたんが電話をかけてみるかい?どれ、私のケータイを貸そう。鈴蘭たんの電話番号を私に教えてくれまいか?」
携帯電話の電話帳を開きながらワクワクしたように電話番号を訊いてくる新。
鈴蘭の電話番号を登録しようとしているのだろうか。だとしたら、全力で止めなければいけない。
「新さん。電話はメイドさんたちの物を使わせてもらうのでいいです。貸してくれるかな?」
「あ・・・は、はい!どうぞ」
きっぱり断って、メイドの携帯電話を貸してもらう。肩を落としてしょんぼりしている新を見て、どうしようか迷ったようだけど、Aが気にしていないのをみて、急いで渡した。
「ありがとう」
電話帳から鈴蘭の名前を探してみる。
こうしてみると、彼女の人脈は案外広いようだ。
「あった‥‥!」
およそ三分にわたって探し、ようやく電話をかけようした。
すると、
「私は帰らせてもらおうかな」
どうしたのだろう。
急に立ち上がり、「すまないね。お昼はやはり遠慮させてもらうよ」と言い残して行ってしまった。
(何か思うところがあったのかな?なら、言ってくれればいいのに‥‥‥)
気になったが、もしかして、任務があったのかもしれない。彼も十二天将の一人だから、急用が入ってしまったのかもしれないし。そう考えると納得できる。
通話ボタンを押すとすぐに出てきた。
『どうしました?』
少し、不機嫌そうな声が聞こえてきた。
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どこんじょう(処罰対象) - 弓乃さん» こちらこそよろしくお願いします! (2019年3月22日 21時) (レス) id: 45a23aa5e3 (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» 遅れてごめん!明けましておめでとう!ID違うけど私だよ!今年もよろしくお願いします!!! (2019年2月3日 16時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 新年明けましておめでとうございます!今年も期待して続きを待っています! (2019年1月1日 22時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
どこんじょう - 弓乃さん» いえいえ!ってか、じぶんのほうが頑張らなきゃいけないっていう...展開は重要ですのでじっくり考えてください!私はいつでも暇なのでいつまでも待てます!過去編は長くてもいいんじゃないかな?過去編って重要だし。頑張ってください! (2018年12月29日 17時) (レス) id: 5e33bfab9e (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - どこんじょうさん» どこんじょうちゃん!お久だね。今ちょっと展開を考えてて‥‥‥全然更新できてなかったんだけど、どこんじょうちゃんがそう言ってくれるなら頑張ろうかな。有難う。感心であってるよ。過去編長くてすまんね。才能、かぁ。私なんかは全然だよ、でもありがとうね。 (2018年12月28日 17時) (レス) id: 7a5e1ee815 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:弓乃 | 作者ホームページ:http://http://uranai.nosv.org/u.php/novel/mamamitu/
作成日時:2018年3月3日 20時