その19 ページ19
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「…認めたくないけど美味しいです」
不本意だけどその味は本当に美味しいものだったのは確か。
「一応試作だからダメなところとかもあったら教えて欲しい」
うーん…ダメなところねぇ…。
じっと残ったケーキを見て考える。その表面はチョコレートのみで一切のムラがなくその光沢がとても美しい。
あ、そうだ
「強いて言うなら見た目にもうちょっと何かあった方が女子ウケはいいですね。ここの客、安室さん目当てのJKとか多いんでしょう?」
安室さんを強調していえば少し目を細めてこちらを見つめていた。
「見た目か…だが女子高生ウケばかり狙ってもな…」
「アラザンとかちょっとかけるだけでも綺麗だと思いますけど。あとは、ソースがベリー系なのでそれを乗っけてもいいですし。それならシンプルだけどちょっとオシャレになりません?」
そう言うとなるほどとその青い瞳を瞬かせる。
「お前にしてはいい事言うな」
「もう帰っていいですか?」
「この大量の料理を俺一人で消化しろと?」
「……料理に罪はないので手伝ってあげます」
それから数十分後。
「先輩…さすがにもう無理です…」
とりあえず全部の料理は味見したものの、それを全て食べてしまうのにはもう限界が来ていた。
「絶対体重増えてる…」
あぁ…帰って体重計に乗るのが恐ろしい…。
「せいぜいダイエットを頑張ることだな」
「先輩が食べさせたんでしょうが」
口直しとして入れてもらった紅茶を啜る。
やっぱり美味しい。
コトリとソーサーに置けばその波紋がたってしばらくして静かになった。
ふぅ、と息をついて口を開く。
「改めて聞きますけどなんで私だったんですか。上には蘭ちゃんがいるでしょうに」
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いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです!続き気になります (2021年2月24日 3時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:珠々菜 | 作成日時:2018年7月13日 0時