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その15 ページ15




「お待たせしました!」


そう言われて置かれたアイスティーとケーキに自然と目がいった頃には、すっかり考えていたことはどこかへ飛んで行ってしまっていた。


そうでなくてもケーキの珍しく、かつ食欲をそそる見た目で他のことは考えられなくなっていた。


早速フォークで小さく切り、1口口に含めば半熟生地で卵の味がよく効いており、それに濃すぎないクリームが絶妙にマッチしている。つまり一言でいうと


「あの!これすごく美味しいですね!」


思わず梓さんに声をかけるとぱあっと花が開いたような笑顔を見せる。えっ、何この子天使…。


「ありがとうございます!安室さんに伝えておきますね!」


「え?安室さん?」


「はい!そのケーキ、安室さんが考案したんです!」


「あー…やっぱ今の取り消しでお願いします」


それを聞いて不思議そうに小首を傾げている梓さん。だって私が降谷先輩を褒めたなんて知られたら一体あの人はなんと言ってくるか考えてみるだけでも嫌になる。


あ、でも待てよ?。私と梓さんって知り合いの如く考えてたけど私が一方的に知ってるだけじゃ…

「あの、Aさん?」


「へっ??あっ!ハイ!?」


突然呼ばれた私の名前に肩が跳ねる。って、え?


「私の名前…」


「あっ、すみません、安室さんにお名前を聞いていたので…」


安室さん…何サラッと個人情報流出しちゃってんの…梓さんだからいいものを…。


それでも警察か、と内心呆れながら梓さんに顔を向ける。


「気にしないでください、改めまして姫宮Aです」


「榎本梓です」


「梓さんですね」


知っていたけど初めて知った風を装った。

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いちごきゃらめる(プロフ) - めちゃめちゃ面白かったです!続き気になります (2021年2月24日 3時) (レス) id: 654b6b5b60 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:珠々菜 | 作成日時:2018年7月13日 0時

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