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「まんじろ、これ。」

「ん?」

「取引するはずだったとこの組織が持ってた情報


ごめん、まんじろ
私、」

俯いて泣きそうなAはふるふると震えて
言葉を詰まらせた

「Aがあの組織1人で潰してきた。
ソラが確認した」

春千夜もAと一緒に病室に入ってきて
Aの言葉を代弁した

「…そうか」

俺に怒られると思ったのか俺の顔を覗いてくる
「怪我はないか?
怪我が無いなら、それでいい。
でも俺と約束したろ?危ないことはAはすんなって」

「ごめんなさい、
でも、2人を計画的に狙ったって、言ってて」

兄を想う妹の気持ちとしては、
こうなってもしょうがない事だ、

逆もまた然り。
下の子がやられたら上は黙ってないんだ


「もう危ないから、
1人では行くな。次はゲンコツするからな」

「ん、ありがとう」

にしても、1人で潰してくるとは、
どこでそんな戦術を身につけたのか
お前らの妹は先が怖いなぁ。









もう窓の外はオレンジ色
「ねぇ蘭ちゃん、りんちゃん、
いつ起きてくれるの?
2人が名前呼んでくんないのつまんないよ」


都会だと言うのにひぐらしの切ない声が聞こえてくる
「今日は2人と家に帰れると思ったのに」


まんじろーは私が渡したUSBと、
資料を持って事務所に帰ってった。

はるちゃんは先生と駄弁ってるからって裏口でタバコ吸いに行っちゃった

「日向先生もりんちゃんのお腹撃たれた弾
取ってくれたんだって。
りんちゃんのムキムキの筋肉ずるいってボヤいてたよ。

…早く起きてよ、寂しいよ」

りんちゃんと蘭ちゃん
2人の手を握るとちゃんと生きてる暖かい血の通った手
それなのに目を覚まさない2人に
ぽたぽたと2人のシーツを水玉模様にさせる涙が止まらない

「ごめんな、日向先生に筋肉自慢しちまったな」

「え?」

りんちゃんを見ると目を開けて
胸元抑えながら起きて私の頭を撫でてきた
「半日ぐらいか?」

ググッと背伸びをするりんちゃんに驚いて
日向先生呼ぼうとしても声が出ない

「りんちゃんっ」
もう大丈夫だからと笑いかけるりんちゃんに感極まって
抱きついてしまった

「こらこら、病人に抱きつくな傷が広がる」

後ろから引っ張られ首が閉まるかと思った
「日向先生、」

「タイミング良かったわ、体温測りに来たら起きたから。
んで、蘭さんは?」

「蘭ちゃんは、まだ寝てる、」

たまにピクっと握ってる指は動くのに、
目を覚ましてくんない


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まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時

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