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「ココさん」

「ん?」

「お兄ちゃん2人と、はるちゃんって
何時ぐらいに帰ってくる?」

「今日の商談は長くなると思うから、
どうした?」

「あの、お願いがあるの、」









「え!Aちゃん恋してんの!?
ちょっとえ!嘘!やだもう可愛い!」
ココさんに頼んで連れてきてもらった銀座のクラブ
クラブのママに相談したらきゃーきゃー盛り上がられた

「女の子は恋して強くなるのよ!
とことん可愛くなるしかないじゃない!」
楽しそうにキャストのお姉さんたちも
恋バナだ!なんて言ってまだ開店前だってのに
お酒のつまみだって言って飲み始めた


「キスされてビンタした!?
まぁわからなくもない、」

「でも、Aちゃんとしては反社と表社会の立場の違う恋が怖いってわけね…そんなの関係ないのよ。
好きなら好きで良いじゃない
恋しちゃったもんはしょうがないんだから」


キャストさんも黒服さんも盛り上がっちゃて
収拾つかなくなってしまい、

話してるうちに会いたくなっちゃって
XJランドに来てしまった

中を覗いてみると一虎さんは居ないのか
千冬さんだけが見える
謝る為に来たんだから、逃げちゃダメ


「千冬さん、」
お店のドアを開けると驚いた顔でこっちを見てきた
「え、A…ちゃん、もう来てくれないと思った」

「あの、謝りたくて、その、」

それでも顔を見るのが怖くて、俯いて
言いたかったことを口にする



「あの時、ビンタしてごめんなさい」

「俺こそキスしてごめん、」


互いに謝って無言になった空気が気まずくて
心折れそうになってきた

恋して強くなるって言ってたけど
弱くなってる気しかしない


「Aちゃん、」


床だけを視界に入れてたら
私の手をそっと手に取って私の名前を優しく呼ぶ

「俺の目を見て」


さっきまで嫌われたと思って苦しかったのに
そんな声で呼ばれてまた息が苦しくなった


「Aちゃん、俺はAちゃんが好きだよ

少女漫画読んでたって、こういう時に良い言葉は思い浮かばないけど

その気持ちに変わりはない。
好きだ」




好き、返したくても言葉にするのは私には簡単にできることじゃない

クラブのママが関係ないって言ってても

そういう世界で生きてるんだ




私はただ、千冬さんの言葉を聞いて
微笑む事しか出来なかった


好きでも、
私の生きる裏の世界で千冬さんを守るほどの力は私には無い


「返事は、いつでも良いから」




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まゆか(プロフ) - 飴玉さん» っ嬉しいです!ありがとうございます (2022年1月3日 7時) (レス) id: 9f4232803c (このIDを非表示/違反報告)
飴玉(プロフ) - Heartache.....大好きです..... (2021年12月28日 15時) (レス) @page43 id: 16dec3cb2e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まゆか | 作成日時:2021年12月7日 0時

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