【完結】雲の切れ間から After Story 3rd - Daiki.A

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ガチャンーー
カチャ








ん……あれ？



何かの物音で意識が戻った。



視界に入るのは脱衣所にある洗面台とドライヤーのコード。



なんで私……脱衣所に？
壁に寄りかかって座った状態で寝ていたみたい。



片手にはドライヤー、もう片方の手にはスマホを持ったまま。










？「っ…おいおい……どんだけ飲んだんだよ」


「っ！！」



脱衣所に現れた大貴は、今まさに帰ってきたところらしくて、黒のモッズコートを着ていていつも通りキャップを被りマスクを付けた状態だった。



大貴「伊野ちゃん達、リビング(あっち)の床に転がってるよ。 俺は酔っ払いの介抱しに来たわけじゃねぇんだけどな〜」



ため息を吐きつつも、ははっ… って呆れ気味に笑うから、怒ってるわけじゃないみたい。



「え……あ、ごめん……なんか記憶飛んでて。 さっきまで皆でワイワイ飲んでたはずなんだけど」



大貴「Aはかろうじてお風呂入ったけどアルコールが余計回って、髪乾かしながらそこで寝たわけだ」


「あぁ……なんか、そうみたい。 あはは…はは」



キャップとマスクを取った大貴。 頭を振って前髪を整える。



シャワーを浴びてきたみたいで髪はセットされてなくてボサボサだった。



脱衣所の壁に寄りかかりながら、
あ〜あ、遅かったかぁ… って寂しそうにリビングの方を眺めた。



手に持っていたスマホを見てみると時刻は深夜1時過ぎ。



「明日もコンサートだよね……今日だって疲れてるよね。 大丈夫？」


大貴「いや、だって……会いたかったから」




都合の良い様に勘違いした心臓が、トクン、て跳ねた。



『会いたかった』っていうのは、皆に会いたかったんだよね。 私個人じゃない…何考えてんだろ。



座り込んでる私の前で手洗いうがいをする大貴をボーッと見つめていた。



数時間前までドームのコンサートに出ていたとは思えない。



あぁ〜何飲もっかな〜、なんて言いながら肩を揉んでる。



大貴「いつまでそこにいんの？ 風邪引くよ」



コートを脱いでリビングに歩いていく大貴の後を追いかけた。



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