43 - 高2 花火大会 Yuri Side ページ44
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- 侑李side
花火の丘で合流した時からAの様子がおかしかった。
十中八九、大貴(あいつ)のことだ。
ほら、
似た背格好の男を見つけては…
目で追って…
違う、って気付いて悲しそうな顔をする。
僕と会う前に大貴に会った?
それとも…………会いたい?
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・
先週、サッカー部の朝練でのこと…
(大貴「花火大会、どうすんの?」)
(侑李「え…例年通りA達と行くでしょ?」)
(大貴「……付き合ってんだから2人きりが良いんじゃない? 俺あいつらと行くから」)
そう言って、琴ちゃん達を見た。
(侑李「いや、Aは大貴がいた方が ーー)
(大貴「知念はどうしたいの」)
ボールから大貴の顔に視線を移すと、その表情はなぜか優しかった。
ねぇ、
もしかして鈍感なふりしてる?
僕の気持ち、
自分の気持ち、
Aの気持ち…
どこからどこまで…気付いてる?
・
・
・
飲み物買いに行くとか適当なこと言って、Aを1人にした。
いやいや、一緒に行けばいいじゃん、と自分で自分にツッコミながら。
影に隠れてAの様子を伺う。
完全にストーカー。
スマホを取り出す。
侑李理恵とはぐれた
侑李まさか会ってないよね
侑李電話もつながらない。お願い手伝って
それっぽく慌てたようなメッセージを送る。
……何やってんだろ。
早く気付け…て思ったり、
気付くな…て思ったり、内心複雑。
大貴わかった。さがしてみる
気付くの早。
既読がついた瞬間返事が来た。
しばらくじっとしていたA。
結構人目につくひらけた場所に座らせてたのに、なかなか来ない大貴。
あ〜人とか物とか探すの苦手なんだっけ…
(幼い頃の大貴「知念!まずい!!Aがはぐれた!!A〜〜〜!!!」)
(幼い頃の侑李「ばか、うるさいな。あそこの木の下にいるじゃん。さっきそこで待ってるって言ってたの聞いてなかった?」)
幼い頃の記憶…
思い出し笑いした。
さて、どうしようか。
考えていると、突然動き出したA。
向かった先は…
僕達3人だけが知ってる花火鑑賞の特等席。
今日の集合場所もここだった。
僕にとって…大切な場所 “花火の丘”
2人にとっても…ここは大切かな。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月19日 0時