23 - 高2 体育祭 ページ24
.
まずい…
騎馬戦勝てて良かった、って傷心気味の大ちゃんの前ではダメだよ。
「あ〜ああぁ、うん！！するする！応援！！ まぁ優勝は私達だけどね！ね！ね！大ちゃん！」
焦って声が裏返りまくった。
手当てが終わった大ちゃんの顔を覗き込むと、じーっと床を見つめているようでその表情は分からない。
大貴「Aさ………涼介と付き合っちゃえば？
両想いだろ、絶対」
声色がすごく冷たい。
なぁ？ って圭ちゃんに同意を求める。
大ちゃんに見られた圭人はビクッと驚いた。
部屋の空気が凍りつく。
圭人「あ……僕の口からはなんとも」
なぜか赤面する圭ちゃん。
両想い？
「…違うよ！！！私が好きなのは…」
声を荒げて言いかけた言葉は、
ガラッ
突然保健室のドアが勢いよく開いて言えなくなる。
慧「だいちゃぁあーん！！！ だいじょ〜ぶかな？
うはぁーー！！ここ超涼し〜♪♪」
妙なテンションの慧くんが入ってきた。
制服姿の彼はワイシャツを胸元まで開けてうちわでぱたぱた扇いでいる。
茶色の髪がふわふわなびく。
慧「あれ？……もしや……
大ちゃんも骨折したの…？」
大貴「…ぶっ、ちげーわ！！超元気よ！」
さっきの雰囲気とは一変、大ちゃんはいつもと変わらない笑顔に戻っていた。
大貴「ほら、もどるぞ。あ、手当てありがとう！」
私達をおいて保健室を走って出て行ってしまった。
「…」
何が何だか…
圭人「A…なんか余計なこと言ったかも…ごめん」
しょぼくれる圭ちゃん。
何も知らないから悪くないのに。
私も分からないんだけど。
なんであんなに怒ってるのか。
慧「もぉ〜迎えに来たのに置いてくなよ〜ばかぁ」
彼のほわほわした空気に助けられた。
保健室を後にする。
校庭に向かう途中の廊下を慧くんと2人で歩く。
慧「だめだよ、あのタイミングで告ったら」
私達以外誰もいないけど小声で話す彼。
「…え？」
隣を歩く慧くんを見上げた。
目を合わせてくれず、うちわでぱたぱた扇ぎながら歩いている。
慧「あの状況でもし告ってたら100パーセントフラれてたね」
にこーーっと笑顔向けてきた慧くん。
いつもならドキッとしてしまう甘くて爽やかな笑顔なのに、今の私にはどこか不気味に見えた。
え……聞いてたの？
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 314人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：もちもち
| 作成日時：2019年7月19日 0時
