3 - Yuri Side ページ3
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- 侑李side
小学校から高校までサッカー部だった。
今は高校時代の部活仲間と仕事終わりにフットサルをやる程度。 スポーツとは無縁になってしまった。
スポーツに関わる仕事に就いたやつもいたけど、情熱だけでやっていける世界じゃないし、思い切った決断は出来なかった。
そもそもスポーツに対する情熱が僕の中にあったのか怪しいし。
カウンターで1人飲んでいた僕のもとに今日3杯目のビールが運ばれてきた。
普段あまり飲まないけど今日はアルコールを一気に流し込みたい気分。
フットサル会は、面倒で行かなくなると “女が出来たのか!” とか “柄にもない夜遊びはやめとけ!” とか酔っ払いの旧友達からの通知が酷いことになる。
本当は家に帰ってゲームやりたいんだけど。
同じサッカー部で、物心ついた頃から一緒だった幼馴染のあいつ。
芸能界に入ったら徐々に疎遠になっていった。
フットサルで会うから数ヶ月に1回くらい顔合わせるけどね。
芸能人だからって気取った感じもなくいつも通り。
A「…ちーちゃん!お待たせ!」
仕事終わりのAが店に入ってきた。
明るいグレーのスーツを着こなして、ニコニコしながら歩いてくる彼女。
Aが大貴に特別な感情を持っているのは小学生の頃から気付いていた。
本人に聞いたら『大ちゃんに絶対言わないで!!』て口止めされたけど。
全員1人っ子で親も共働きだった僕達は、放課後や学校が休みの日も一緒にいることが多くて、
本当の兄妹のように育った。
「…彼女いるって、知ってた?」
まぁ…まずビールかなぁ、っておっさんみたいなことを呟くAにかけた第一声。
手に持っていたジャケットをイスにかけながら、僕のスマホを覗き込んでいる視線が不自然に泳いでいる。
順調なんだね…って。
前から知っていたかのような口ぶり。
世間が噂している交際相手は、僕も昔から知っている人だったから教えてくれても良かったのに。
大貴のやつ……つれないなぁ。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月19日 0時