11 - 高2 ページ11
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「何であんなこと言ったの?」
数学の授業が終わり、今は昼休み。 さっき気になる発言をした慧くんと話している。
大ちゃんは授業中に騒いだ罰として、日直に代わって先生の荷物係になったらしくて姿が見当たらない。
いつもお昼を一緒に食べる紗奈は体育祭委員の打ち合わせだとか。
慧「…へぇ?」
一体何のこと?という惚けた表情。
「好きな子いじめてる、って変なこと言ったから…」
私が大ちゃんに片想いしているのを勘の鋭い彼はだいぶ前から知っている。
もしかしたら、当人の私より先に気付いていたかもしれない。
慧「あぁ…
気になる女の子にいたずらしちゃうタイプの男子っているじゃん。 大ちゃんはそれっぽいよね〜」
質問の回答になってない…
購買行こうぜ、と歩き出す彼の後を追った。
周りから見たらイチャイチャしてるように見える大ちゃんと私のやりとり。
進学や進級する度に事情を知らない人から
*「有岡くんと付き合ってるの?」
*「2人はどういう関係?」
*「好きなの?」
と質問される。
『ただの幼馴染だから!』
小学生の時から7、8年くらい私が言い続けているこの言葉だ。
中学生になってから、この言葉を言った後にチクリと胸が痛むようになった。
なんだか苦しい。虚しくなる。
それが“恋”だと気付いたのはつい最近のこと。
自分の気持ちなのにそういったことに関して鈍感だった。
慧「大ちゃんはAのこと大好きじゃん。本人も公言してるし」
私は思い詰めた顔をしていたみたい。
慧くんは話題を変えたくせに、また“大ちゃん話”に戻す。
(大貴『Aはただの幼馴染じゃねぇから。』)
これは、私の“ただの幼馴染だから!”を聞いた人達が大ちゃんに確認すると必ず返ってくる言葉なんだとか。
もちろん、私が直接言われたことはない。
我先にと皆が群がる購買コーナーに着いたのに、手前でぼーっとしていた私の元へ、会計を終えた慧くんが戻ってきた。
大ちゃん達の分も買ったのかな?
お弁当3つを片手に持ち直して、私の顔を覗き込む。
空いた手を私の頭に伸ばした瞬間、
侑李「こら! お触り禁止」
いつのまにか後ろにいたちーちゃんが慧くんの手をバシッと叩いて咎めた。
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作者名:もちもち | 作成日時:2019年7月19日 0時