二人のゲーム

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ASide

寒い夜風が私の頬に当たり

初夏ぐらいなのに

肌寒く感じる

『さむっ……』

家の鍵をぐるりと開けようとした

だけど……

『あれっ……？開いてる…？』

嘘だ…そんなはずはない

確かに焦ってはいたけれども

鍵を掛けたかは確認したはずなのに…

でも、数時間前の自分に探りを入れたって

もう過ぎてしまって仕方のないこと

はぁ……不審者が入っていない事を祈るしかないな

ふぅと一つ深呼吸をしてから

ガバッと一気に扉を開ける

すると、

靴が綺麗に並べてあり、玄関にいくつか入っていた砂は全部なくなっており、フローリングはここに越してきた時よりもピカピカ

………なんか不法侵入されてるはずなのに嬉しいんだけど。

いや…待てよ…

急いでキッチンがある部屋に何か盗まれてないか確認しにいったけど

そこには

『…………なんで料理があるのよ』

テーブルの上に丁寧にラップを掛けられた美味しそうな料理達

軽く食べてきたはずなのにお腹空いて来る……



ううん！今はこんな事してる場合では…

…

…

…

その後、全部の部屋を確認したけれど

奪われていたのはなかった

不安過ぎる

くよくよ悩んでいても仕方ないし

テーブルの上にあったご飯は明日食べようと思って冷蔵庫に入れて

その日は眠る事にした

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