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kn「A」





声のするほうを見ると、この間自分が登っていた所にコネシマが座っていた。


笑って手を振っている。


手を振り返して私自身もそこに登り、コネシマの隣に座った。





kn「いきなり呼び出してすまんな!ちょっと、あんたと話してみたかってん」





構わない、というとコネシマは嬉しそうに笑った。


今日は煙草を吸わないらしい。


気を使ってくれているのだろうか。


暫く何も話さない時間が流れたが、唐突に彼が口を開いた。





kn「A…はさ、家族ってどう思う?」





思わず口を開けてぽかん、としてしまった。


家族……家族か。


目を伏せて考える。


くすっ…と自嘲気味に笑った。





『この間皆には言ったことだが…私には家族が居ない。ゾムは家族だが……血は繋がっていないし、母も私を棄てたからな。

だから、家族というのがどういうものなのかがわからない』





目を開けて空を見上げれば満天の星。


ああ……やっぱりここは素晴らしい場所だ。


心が落ち着く。


深く深呼吸をすれば、ほんのりと香るコネシマの匂いがした。


消せなかったであろう煙草の苦い匂い。





『だから、私はお前たちを家族だと思うことにしたんだ。ゾムの仲間であるお前達を。

そうすれば……少しは私にも、家族というのがわかる気がして、な』





また自嘲気味に笑って、隣に座るコネシマをみた。


コネシマは黙って聞いていたようだったが、私の目線に気づいたのか困ったように笑って、空を見る。


それがどこか苦しげだった。





kn「……俺、家族はフィクションやと思う。せやから、Aが俺らを家族だと思ってくれてても、俺も同じようには返せへん。

俺かて家族が何か分からんもん。せやから、多分………俺らは似た者同士なんやろうなぁ…」





あ、嫌やったらごめんけど。


そう呟いてコネシマが笑いかけてくる。


気づけば、私の口は言葉を紡いでいた。





『…嫌じゃないさ。コネシマと私が同じなの、嬉しいよ』





心底そう思って笑いかければ、目が合った。


何故かビシッと石のように固まったコネシマが、じわじわと赤くなっていく。





kn「な…っ……なんや、それ…小っ恥ずかしいわ阿呆!」





彼がいきなり立ち上がって降りていく。


ちらっと見えた耳は真っ赤。


それが可愛らしくてクスクスと笑ってしまった。

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(プロフ) - miiさん» はう...!ありがとうございます…! (2020年10月26日 16時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
mii(プロフ) - 私がこの世界に入り、最初に見た作品が魚さんの作品でした!とても面白く、今でも大好きです!この話が完結したら活動休止するのはさみしいですが、これからも頑張って下さい! (2020年10月23日 16時) (レス) id: fea92a175e (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 麻痺さん» ありがとうございます!今しばらくお待ちください… (2020年8月23日 21時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)
麻痺 - 好きすぎる!更新楽しみに待ってますー! (2020年8月22日 2時) (レス) id: dce11f68c6 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - アカツキさん» ありがとうございます〜! (2020年7月7日 7時) (レス) id: e0d88f5dee (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2020年2月17日 9時

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