花魁は獄卒になるようです【2】

一人きりの現世 ページ5

あれから一睡もできなかった

いつまでたっても体の興奮が抜けず

目がギンギンだった

なんか不眠症になりそうなくらい……
…

私はゆっくりベッドから起き上がった

まだ夜だがもうじっとしてられない

現世にでもいこうかしら

私はそう考えて着替え部屋をそっと

抜け出した

現世へ着くと道はネオンで輝き

昼とはまた違った現世がそこにあった

すると

「ねぇ」

声をかけられる

『何？』

振り向くと平腹によく似た男が立っていた

「暇でしょ？飲みに行かない？」

『……いいわよ』

私は少し迷ったが男の遊びに付き合うことにした

「この近くに住んでんの？」

『ここから少し離れた所よ』

さらっと嘘をつく

誰かが言っていたわ

嘘と裏切りは女のアクセサリーってね

「だいぶ飲んだね」

『そうね』

「もう帰るの？」

『あら、寂しいの？』

私は挑発的に言ってみる

「うぅ…寂しいかも」

なんだこの可愛い生き物は

『もう帰らないとね』

「じゃあさ」

立ち上がった私の手を掴み引っ張る

額にキスをされた

「また会えたら付き合ってよ」

『勿論よ』

手を振って別れた

たまには一人の現世もいいかもね

そう思って帰路についた

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