花魁は獄卒になるようです【2】

引きずり込まれる ページ11

「あああぁぁあぁあ！」

『落ち着きなさい！』

さっきから言葉をかけているが

黒いもやにかかって全く姿が見えない

私は若干ひるみ少しあとずさった

佐「A！大丈夫！？」

離れたところにいる佐疫が私に声をかけてくれた

『大丈夫よ！』

そう言った瞬間もやが私の腕を掴んで

暗闇の中に引きずり込もうとしてくる

『ぅう……負けるなぁっ』

自分に渇を入れて引かれないように耐える

平「A〜！！」

ドンッと私を掴むもやにシャベルをつきたてる

『ひ、平腹！』

平「大丈夫かっ！？」

『貴方のお陰でなんとかね』

ふぅと息を吐き出す

すると平腹の背後に迫るもやに気付いた

『平腹！』

私は平腹の腕を掴み引っ張る

平「うぉっ！？」

その拍子で私がよろめき前に倒れる

『きゃっ』

もやに掴まれ今度こそ暗闇の中に引きずり込まれた

平「A！」

平腹が手を伸ばしてくる

そんな光景を最後に私の視界は真っ黒に染まった

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