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うちの仲居さんはとっても優秀な方で、自分がお休みの前には必ず客室やフロントを綺麗にしていく。
なので、私がすることはあまりなかった。
旅館葉月は、私を除き4名の従業員で切り盛りをしていた。
レンを除き旅館当初からのメンバーは、皆地元の方々でありとても人情味の溢れた方々だった。
いつからか、お客様の足取りが少なくなった今でも、皆文句も言わず旅館葉月を支えてくれる。
『Aちゃん一人にさせるわけないでしょ』
『ここは私にとって宝のようなものなよ。ずっと一緒に守っていこうね』
『どうせ家にいてもやることないからね。ここにいた方が、気が楽になるんだよ』
皆、口を揃えてここにいたいと言ってくれる。
それがどれほど嬉しく、励みになるか。
たまたま今日はみんな休みだけど、明日になったらビックリするだろうな。
大勢のお客様を見て皆どう反応するか楽しみで、私はいつにもなく心躍っていた。
リーン
来客を知らせる鈴の音が鳴った。
「本日は、お足元の悪い中よくお越しくださいました…」
見上げると、そこは長身の男性達がびしょ濡れになっていた。
車を降りてここまで来るだけのわずかな時間で、こんなにもびしょ濡れになるなんて。
足下には水溜まりができており、私は慌てて用意していた大きめのバスタオルを皆さんに渡した。
「外は大雨で、大変でしたね。どうぞ、先にお風呂にでもお入り下さい。お身体を冷やしては大変です。」
MN「ありがとうございます。今日は幸い貸切ということで、大変助かります。」
RM 「本当に、とても嬉しいです。みんな、挨拶するぞ」
そう言って、長身の男性7名が一人の掛け声共に挨拶をされた。
「ん…?防弾少年団って、あの防弾少年団?」
思わず口に出してしまった自分が恥ずかしくなった。
TH「ははっいいねその反応!僕たちこんなんだけど、気にせず気楽に接してね!」
テヒョンですと名乗った男性は、人懐っこい笑みを浮かべた。
それから、一人ずつ名乗ってくれたので私も軽く自己紹介をすることになった。
「先ほどは失礼しました。私は当旅館の若女将を務めております、Aと申します。皆さま、短い時間ではありますが、どうぞごゆるりとお過ごしください」
久しぶりにお客様をお迎えして、それがまさかあの有名グループだなんて、驚いたのと嬉しさでいっぱいだった。
「お部屋へ案内しますね」
まさか、この時すでに運命の歯車が動きだしたとは思ってもいなかった。
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あーちゃん(プロフ) - とりま最高 (2019年10月10日 16時) (レス) id: 578ed0c715 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 愛(サランさん» ありがとうございますm(_ _)m 次回作もお楽しみに…笑。 (2019年3月21日 16時) (レス) id: 6fb3a64d96 (このIDを非表示/違反報告)
愛(サラン(プロフ) - お、おわり、、 めちゃくちゃ面白かったです!ありがとうございました!次もあるなら待ってます!お疲れ様でした (2019年3月21日 14時) (レス) id: bbbfbb5774 (このIDを非表示/違反報告)
つき - 凄い面白いです!更新頑張って下さい! (2018年12月17日 15時) (レス) id: e9fb8ac079 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ちあさん» ありがとうございます。頑張ります♪ (2018年12月6日 14時) (レス) id: 62b0c80745 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆき | 作成日時:2018年9月14日 15時