4 ページ4
次の日も、ジョングクくんは私に会いに来た。
今日は美味しいスイカがあるんだよと、板長が出してくれたスイカを縁側に二人腰掛けて頬張った。
ジョングクくんは私と同じ歳ということもあり、すぐに仲良くなった。
JK「Aは夏休みもずっとここにいるの？友達は？」
「わたし、日本人ってことでイジメられてるから…だからここにいるんだ」
みんながいるから寂しくないんだよと強がってみせた。
JK「ごめんね、辛かったね」
彼の言葉に、胸がじんわりと熱くなった。
こんなふうに、同級生に優しくされたのは久しぶりで、歯がゆい気持ちになった。
「ううん、大丈夫だよ。それに、ジョングクくんと友達になれたから、とっても幸せなんだよ！」
私の言葉に安心したのか、ジョングクくんは微笑んでくれた。
それから、二人でたわいもない話をしてあっという間に時間が過ぎていった。
JK「嫌だ！！僕はここにいる！」
ジョングクくん達が帰る日となった。
見送りにきた私の手を、彼はぎゅっと強く握っていた。
「すみません、うちの子ったら…ほら、ジョングク。帰るわよ」
ジョングクくんのお母さんが、あやすように声を掛けた。
JK「僕がいなくなったら、Aはまた一人になるからっ、だから…！」
私は、気づけば彼に抱きついていた。
「ありがとう、ジョングクくん。私、この3日間とっても楽しかったんだよ。」
最後は、笑顔でお客様を見送ること。母にそう教わった私は、満面の笑みでこたえた。
「離れてても、私たちはずっとずっと友達だよ」
あれから、もう１０年が経った。
もう、彼の名前は覚えていない。
覚えているのは、彼と過ごした、短くて尊い時間だけだった。
「そういえば、あの子が来たのも８月だったな…」
縁側で洗濯物を畳みながら、過去の思い出に懐かしんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 968人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あーちゃん(プロフ) - とりま最高 (2019年10月10日 16時) (
レス) id: 578ed0c715 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - 愛(ｻﾗﾝさん» ありがとうございますm(_ _)m 次回作もお楽しみに…笑。 (2019年3月21日 16時) (レス) id: 6fb3a64d96 (このIDを非表示/違反報告)
愛(ｻﾗﾝ(プロフ) - お、おわり、、 めちゃくちゃ面白かったです！ありがとうございました！次もあるなら待ってます！お疲れ様でした (2019年3月21日 14時) (レス) id: bbbfbb5774 (このIDを非表示/違反報告)
つき - 凄い面白いです！更新頑張って下さい！ (2018年12月17日 15時) (レス) id: e9fb8ac079 (このIDを非表示/違反報告)
ゆき(プロフ) - ちあさん» ありがとうございます。頑張ります♪ (2018年12月6日 14時) (レス) id: 62b0c80745 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ゆき | 作成日時：2018年9月14日 15時
