�� ページ4
「…それで離れたいって言ったの？」
穏やかな晴天の日。ロードワーク前に私はメイに相談していた。
結局1週間以上経った今も、私はマサに連絡を出来ないでいる。
私から突き放したこともあって連絡は勿論こない。
「変だとは思ってた。最近は全然一緒に居ないし。
Aは授業の時も練習の時もボーッとしてること多いし」
真っ直ぐ前を見て、そう言ってくる彼女の横顔はいつもより怖かった。
「…私が悪い。マサを信じ切れなかった」
「…そうだね、Aが悪いよ」
私の方を見たかと思うと、身に染みる言葉を放ってきた。
その通り過ぎる言葉に何も言えなくなる。
「え…」
けれど次の瞬間、彼女は私の頭を精一杯手を伸ばして撫でてきた。
突然過ぎる出来事に唖然することしか出来ない。
「けどさ気持ち分かる。
初めて好きになった人には元カノが居て、その人に煽るようなこと言われて。
…柳田君もすぐに追い掛けてくれたら良かったのになぁ」
苦笑いを浮かべて『不器用だなぁ』なんて笑う。
「…気にすることなんてないよ。
それぞれのペースがあるから。柳田君と離れたくないんでしょ？」
離れたくない。頷いた私に彼女は優しく笑う。
「練習終わったら連絡しな？柳田君も待ってると思うよ？
ちゃんと謝って『好き』って言いなよ」
「…ん。ありがとうメイ」
「全然。Aには柳田君が居ないと」
『さっ走るよ』と私の腕を引く。
練習が終ったらマサに連絡しよう。ちゃんと謝るんだ。
そう決意して走り出す。
───────
「はぁっ……お疲れ」
ゴールの公園でメイからドリンクを受け取って、喉に流し込む。
走った後なのに何だか体が軽かった。
「人多いね」
チームメイトが呟いた先には家族連れやボールで遊ぶ男の子達。
元気だなぁ。
何て思っていたら、彼等が遊んでいたボールが転がって出口の方へ。
一人の男の子が飛び出して取りに行く。そして一台の車が彼に向かって来る。
「やばっ…」
メイにドリンクを押し付けて、彼の元へと走る。
追い付いた彼を胸に閉じ込めて目を閉じた。
そこで私の記憶は途絶えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 411人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
華弥。(プロフ) - みかさん» ありがとうございます(*^^*)嬉しいです！これからもちまちま更新ですが、よろしくお願い致します。 (2019年12月6日 23時) (
レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
みか - めっちゃ好きになりました。 (2019年12月6日 8時) (レス) id: a8aa169b50 (このIDを非表示/違反報告)
華弥。(プロフ) - もちもちのき。さん» コメントありがとうございます(^^)嬉しいですー！まだまだ頑張るのでよろしくお願い致します！ (2019年11月12日 14時) (レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
華弥。(プロフ) - リスと林檎さん» コメントありがとうございます(^^)そう言って頂いて嬉しいです！まだまだ頑張るのでよろしくお願い致します(^^)拝見させて頂きますね(^^) (2019年11月12日 14時) (レス) id: d5a525a881 (このIDを非表示/違反報告)
もちもちのき。(プロフ) - 続編おめでとうございます！いつも楽しく読ませてもらってます〜 (2019年11月12日 4時) (レス) id: fc71b503ba (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：華弥。 | 作成日時：2019年11月11日 21時
