43話 黒龍 ページ46
“アジトがこの近くにある”乾の一言で、Aは後をついていく。乾と会うのは約1年ぶりだ。相変わらず変わらないその出立ちに、少しほっとした。着いた先は、Aもよく知っている場所。
『ここって……』
乾「あぁ、」
兄、真一郎が経営していたバイク屋の跡地。此処に来たのは“あの時”以来のAは、無意識に固唾をのむ。それに気付いたのか、おずおずとやっぱり別の場所にするか…?と提案してきた乾に、いや大丈夫だと笑顔を向ける。気にしながらもガチャガチャとドアを開け、先に中へと入る乾。Aも、深呼吸をした後一歩右足を敷地内へと踏み入れた。以前と変わらない間取り。だが、変わらないのはそれだけで、バイク屋としての面影はないに等しかった。寂しさを感じたのと同時に、少しだけ安堵する。
「おかえりイヌピー」
第三者の声に意識が現実へと戻る。黒髪刈り上げ、そして乾と同じ白い特攻服を見に纏った男。釣り目がちな目が、オレを見るなり一層釣り上がる。乾に目線を送ると、前にココに話したヤツだと話し始める乾。
コ「前に…もしかして、初代の弟か?」
『…初代?』
疑問系でオウム返しをするAに、そうかまだ言ってなかったなと乾は徐に背中を向ける。乾が着ている特攻服の背中にはBDの文字。
乾「オレ達は、黒龍のメンバーなんだ」
『……!』
Aの目が大きく開かれる。確か黒龍は、9代目の時に万次郎たち東京卍會が潰したはず。まさかまだ続いてたのか。じゃあ10代目は一体…?
乾「…オレは、今でもお前に黒龍を継いでもらいたいと思っている」
『!…青宗、オレは「オマエがこの世界に興味がない事も重々承知してる!だけど、オマエは初代と似ている。兄弟だからっていう理由じゃない、!それくらいオレはオマエを買ってる!」…だったら、今度はオレが潰すぞ』
乾「え?」
『絡んできたヤツら、黒龍だろ。テメェらより弱いやつ見つけて手を上げる。ンな平気で一般人に手ェ出すチーム、シンイチローなら絶対に作らねェ』
黒曜石のような漆黒の瞳が乾の目を射抜く。ぐっ…と下唇を噛む乾を見て、隣の男が口を開く。
コ「おいおい、今日はそんな話する為に連れてきたんじゃねーんだろイヌピー?挨拶が遅くなった、オレは九井一。気軽にココって呼んでくれ」
『…佐野Aだ』
よろしくココ、といえば人の良さそうな笑みを浮かべてきた。
『(また厄介な事が起こりそうだぞ、万次郎…)』
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比嘉槐 - なんか読んだことあるなと思ったら以前読ませて頂いた作品でした(*´∇`*)とても面白いです!これからも応援してます╰(*´︶`*)╯♡ (11月28日 15時) (レス) @page1 id: 0ffcd0578b (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - お久しぶりっス!最近は来れなくてすいません!ハイキューの夢小説の方を見ていまして、東京リベンジジャーズもたまに見てるんですけど、タイトルを忘れてしまって、頑張って探したらあったので、すぐさまコメントしましたっス!続き楽しみに待ってます!! (2022年2月13日 23時) (レス) @page24 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
竜蘭(`・ω・´) - まっぽさん» タイトルは同じじゃないですよ!!マイキーのドッペルゲンガーです!!設定とか全然違います!!このお話は兄弟ですけど、マイキーのドッペルゲンガーというお話は兄弟じゃないんです!!うるさくてごめんなさい (2021年12月24日 7時) (レス) @page2 id: 784883b1f4 (このIDを非表示/違反報告)
まっぽ(プロフ) - 蓮さん» 蓮さんコメントありがとうございます!それって占ツクでですかね?もしタイトルにAnotherがついていて梵天軸の話だったら私の作品です💦 (2021年12月20日 0時) (レス) id: 1847723ecb (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - この作品に似たような作品が作られてますよ💦同じタイトルで内容も似ています (2021年12月19日 21時) (レス) id: 1abcf988f6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まっぽ | 作成日時:2021年7月14日 3時