30話 Alone night ページ33
あれ…どこだここ…人が大勢いる…あれは、圭介と、タケミっち…?アイツらあんな所で何やってんだよ。!……一虎?おい、待て、アイツ何持ってる…?ッ圭介!気付け!おい!ッなんで聞こえねーんだよ!圭介ーー!!
『〜〜〜ッ!!!』
バッと勢いよく上半身を起こす。心臓が早鐘をうち、額からは尋常ではない汗が溢れていた。荒い呼吸がなかなか落ち着かない。
『ッくそ、あのメガネのせいだ…』
数時間前に起きた出来事を思い出し、顔を歪める。時刻は20時。どうやら晩ごはんの後リビングでうたた寝をしていたらしい。片付けをしていたエマが心配そうにキッチンから顔をのぞく。
エ「すっごいうなされてたけど大丈夫?お兄ちゃん」
『ん?あー大丈夫だよ、ちょっと走ってくるわ』
エ「うん…気をつけてね」
心配かけまいと、笑顔を見せ家を後にする。自分のバイクしかないということは、きっと万次郎も走りに行っているのだろう。Aは愛車に跨り夜の街へと駆けていった。
_______
『結局ここに来ちまうんだよな…』
訪れたのは兄、真一郎が眠る墓地。ふらふらと適当に走り回っていたつもりだったが、気がつくとAは呼ばれるようにここに着いていた。
『よ、シンイチロー…ん?』
そこには先程まで人が来ていたのだろう線香が立ててあった。Aはそれを見て1人の人物を思い浮かべる。
『圭介…来てたんだな』
ふっと強張った顔が和らいでいく。確証があるワケじゃない。だけど、幼なじみだからこそ分かり合えるモノもある。Aはいつものように墓の前に座った。
『…オレはさ、まだ一虎を許せない気持ちの方が大きい。そりゃオレらからアンタを奪ったんだ、許せないのも当然だろ?…でもさ、圭介の気持ちを考えたらすっげー苦しくなったんだ。……兄貴なら、どうする?』
ぐっ…と、心臓あたりの服を掴む。シーンと静まり返った墓地の中、時折街の方から聴こえる無機質な音が耳に入る。答えが返ってくるはずもない声を、必死に、聞き逃さないようにAは耳を澄ました。それからどれくらい経ったのだろう。ここに来ると時間を忘れてしまうのか、兄貴のバイクの排気音とよく似た音が耳に入る。瞑っていた目をゆっくりと開き、佐野家之墓と書かれた墓石へと向ける。
『……そうだよな。ありがとう兄貴』
決戦は、明後日___
1938人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
比嘉槐 - なんか読んだことあるなと思ったら以前読ませて頂いた作品でした(*´∇`*)とても面白いです!これからも応援してます╰(*´︶`*)╯♡ (11月28日 15時) (レス) @page1 id: 0ffcd0578b (このIDを非表示/違反報告)
ただのバカです - お久しぶりっス!最近は来れなくてすいません!ハイキューの夢小説の方を見ていまして、東京リベンジジャーズもたまに見てるんですけど、タイトルを忘れてしまって、頑張って探したらあったので、すぐさまコメントしましたっス!続き楽しみに待ってます!! (2022年2月13日 23時) (レス) @page24 id: acf5fa610c (このIDを非表示/違反報告)
竜蘭(`・ω・´) - まっぽさん» タイトルは同じじゃないですよ!!マイキーのドッペルゲンガーです!!設定とか全然違います!!このお話は兄弟ですけど、マイキーのドッペルゲンガーというお話は兄弟じゃないんです!!うるさくてごめんなさい (2021年12月24日 7時) (レス) @page2 id: 784883b1f4 (このIDを非表示/違反報告)
まっぽ(プロフ) - 蓮さん» 蓮さんコメントありがとうございます!それって占ツクでですかね?もしタイトルにAnotherがついていて梵天軸の話だったら私の作品です💦 (2021年12月20日 0時) (レス) id: 1847723ecb (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - この作品に似たような作品が作られてますよ💦同じタイトルで内容も似ています (2021年12月19日 21時) (レス) id: 1abcf988f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まっぽ | 作成日時:2021年7月14日 3時