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突然突きつけた包みに一瞬視線を落として
片手でそれでも大事そうに持つと
「A！」
「ごめん！」
「ちゃんと話したい」
「ちゃんと説明させて」
章ちゃんが私の腕を掴んでそれだけ言うと歩き始めた
いい大人がこんなところで揉めても
そう思って
今度はされるがままについて行く
駐車場の隅にあるオートロックを章ちゃんが操作して扉を開ける
扉を入ったところにエレベーターの扉と階段
章ちゃんは迷うことなくエレベーターのボタンを押した
待つ事も無く扉が開いて
腕を引かれたまま乗り込む
「ここどこ？」
私誰にもこの顔見せたくないんだけど
何ならあなたにだってこんな明るい所で見られたくないんだけど
そう思いながら問いかけても
「ちゃんと説明するし」
って返事になってないような返事が返ってきた
エレベーターが止まると
「こっち」って小さな声で言った章ちゃんに引っ張っられて連れてこられたドアの前
章ちゃんはカードキーを差し込んでドアの鍵を解除した
大きく開けたドア
私の背中を押すようにその中に導く
私が一歩踏み込んだら灯りがついた
「上がって･･･」
そう章ちゃんに促され靴を脱ぐ
廊下を進んで突き当たりの引き戸を
私の後ろから腕を伸ばした章ちゃんが開けて
私を中に入れる
パチンって音とともについた灯り
そこには
部屋の大きさに不釣り合いな
あの変色したラグと二人がけのソファーがあった
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年9月10日 19時
