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これ以上ごてたところできっと状況は変わらないから
覚悟を決めて車を降りる
どこの駐車場なんだろ？
ファミリーカーが並ぶ駐車場
ほっとした顔をした章ちゃんをまっすぐ見つめて
その肩にかかったトートバッグに手を伸ばす
ここがどこだかいまいちわかんないけど
職場の近くには違いないし
Googleさんにお世話になって帰ろう
泣きすぎて化粧も取れてしまって
きっと酷い顔してるだろうけど
目も瞬きしにくいほどに腫れてるけど
明日は夜勤だし
何とかごまかせるかな
さっきまでと違って
やけに冷静な自分に驚きながら
トートバッグを引っ張る
けど
章ちゃんは渡してくれなくて
それでも
意地のように引っ張ったら
章ちゃんの肩からトートバッグが私の手に戻ってきた
バッグの中に手を突っ込んで取り出した包みを章ちゃんの胸に押し付ける
「お誕生日おめでとう」
「何度LINEしても欲しい物教えてくれないから勝手に選んだし」
「子供騙しだけど気に入ってくれたらいいな」
それだけ早口で言うと急いで離れようと背を向けた
そうだよ
誕生日には欲しい物言うきまりだったのに
今年は何度聞いても言葉濁して言ってくれなかったもん
そん時に気づけって話だったんだよね
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作者名：UTA
| 作成日時：2020年9月10日 19時
