みかん色の思い (ページ12)

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～終～ページ12

左手に重なる俺の手を右手でギュッと握りしめて

「･･･そんときは･･･さ･･･」

「･･･俺を･･･さ･･･」

「･･･横山隆平にしてくれへん･･･かなぁ」

不器用なの隆平の

たどたどしく

不器用なプロポーズ

永遠なんてどこにもあらへん

そんな事は誰よりも知っとるはずの俺やのに

自分の心さえ信じきれへんとこもあるけど

でも体温高いくせに緊張で氷のように冷たくなった指先を持つ

俺の大事な隆平を

信じてみようと思う

隆平の手のあいだからそっと手を抜き取る

その瞬間

泣きそうで

それでいて全てを分かっていたと言うような

そんなこの世の終わりみたいな顔で

曖昧に微笑んだ隆平

あぁ勘違いさせてもたと

慌てて隆平の頬を両手で挟んで目を合わせる

「･･･隆平が･･･」

「･･･隆平が俺と一緒に横山を名乗ってくれたら･･･」

「そんときは･･･」

「この苗字ん事愛せるようになると思う」

「･･･いつか･･･」

「･･･そんときは･･･」

「俺からプロポーズさしてや？」

そう言うて唇を重ねる

何度かくっついては離れて

離れてはくっついてを繰り返して

長めのキスをしたあと離れたら

隆平がふんわりと笑ってくれた

そんな隆平への思いは

心の芯が暖かくなる

そんなみかん色