誕生日プレゼント 2（紫） (ページ5)

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その瞬間

ガラリと襖が開いたと思ったら

襖を開けた主が

眠そうに目を擦りながら立っていた

しばらくは部屋の眩しさに目をパシパシさしとったけど

俺に気がついて

「ごしゃぁ」

って叫びながら両手広げて駆け寄ってきた

「なんや華」

「目ぇ覚めてもたんか？」

そぉ言いながらしっかりと抱きとめる

俺ら二人を見てAが

「あぁ～あ」って言いながらが

ほんでも笑顔で

何かくるくると巻いた画用紙みたいなんに赤いリボンがくくってあるんを持ってきた

「ほら」

「信五さんにどうぞするんでしょ？」

ってAに声かけられたら

俺の首にしっかり抱きついとった

華はあっさり離れて

「どぉじょ」

って受け取った紙を俺に差し出してくれた

「なんやなんや」「くれるんか」

そう言うて受け取ったら

「ごしゃ」「おめめとぉ」

そう言うて今度は俺の膝に当たり前のように座ってきた

Aは華に俺が子供ん時着とった紺色の小さな半纏着せて

自分も俺の横に座った

「ごしゃ」「みて」

って「信五さん」も「ごしゃ」に聞こえるような舌っ足らずやけど

いつの間に二語文も話すようになって

子供の成長の早さに驚く

リボンをほどいて画用紙を広げる