21話 ページ25
Aside
はぁ、どうしよう。
足は無事治ってくれたから問題は無いんだけど
書庫の本…まだ片付けてないんだった
食べたあとすぐ片付けに行かなきゃ
神威に見られる前に
「ん、Aもー食べないの?」
「うん、なんか今日はお腹空かなくて…書庫の本出しっ放しだったから片付けてくるね」
そう言って立ち上がった時
「あ、あの…」
一人の団員がオドオドしながら話し掛けてきた
「その、俺さっき書庫に辞書を返しに行ったんですよ。その時に机に本が散らばってて、片付けたんですけど…すみません」
え、そんな、嘘でしょ
あれを見られたってこと? “ 好き ” “ 恋愛 ”とかそうゆう事しか載ってない本を?
まずい、非常に。
「ふーんそうなんだ、良かったじゃんA。ねぇねぇ、因みにその本何だったの?コイツ全然教えてくれないんだよ」
神威がニコニコしながら団員に話しかける
第七師団団長からの命令だ。断ったら即殺られる、でも私にも気を使っているのか、顔が真っ青だ
「え…と」
凄く不自然に目を泳がせる団員
「そんなに言えない事なの?俺が一応団長何だけどナ」
ニコニコしてるけど、目が笑っていない神威
私も私で言われたら何と言っていいか分からない。
どうしよう、やばい
「い、いや、とんでもないです!…多分、Aさん“ 恋 ”をしてるんじゃないかと…」
ごめんなさい、生きる為なんです許してください…!!
と今にも殺されそうな顔で訴えている団員
あぁ、終わった。
神威になんて言おう、どう説明したら誤解されずに済むだろうか
あれ、なんでこんなに焦ってるんだろ
「……A、ほんとなの?」
ジッと見てくる神威
無意識に目を逸らしてしまう
「別にそういうのじゃ無くて、ただ自分にもそんな感情があるのかなぁって…思って調べただけだよ」
これ理由になってるのか、誤魔化すのに無理があるかなと思ったけど
「…ふーん。そっか、で結局そういう感情あったの?」
割とすんなり受け入れるんだ。
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作者名:まひろ | 作成日時:2017年10月31日 1時