16話 ページ20
阿伏兎side
「団長…行ったぞ」
俺の部屋の隅に隠れる馬鹿に声を掛けた
普段なら絶対見れないであろう団長の姿
…こりゃ完全に惚れてるな。
これだけ1人で考え込んでも分からないとは、団長も相当ウブだなァ
「…そう、ありがと」
複雑そうな顔をしながら出てきた
「なんだァその顔は」
「いや、何でAが来た時隠れたんだろうって」
深く考え込んでる阿呆団長
まだ分かんねぇのか?
「ねぇ阿伏兎、俺絶対可笑しいよ」
急に焦り始め、俺に助けを求める様に目で訴え掛けてきた
あまり分からんが、こういう “ 感情 ” は自分で気付くべきじゃねぇのか?
でも見るからにそんな事微塵も頭に無さそうな団長だ。
仕方ねぇ俺が教えてやるか
「団長、今までのAに対するアンタの行動はな」
「うん」
ゴクリと生唾を飲む団長
まじでこの人病気だと思ってんのか、もう末期だな。
「要するに、Aの事が好きなんだろ」
「………は?」
そう言ってフリーズしている団長
「本当に分かって無かったのか」
「俺が、Aに…?」
「そうだ、いい加減認めろこのすっとこどっこい」
信じられないとでも言うような顔をしている
だがこれは紛れもない事実だ
「団長、夕飯には戻ってるって言っちまった以上、今まで通り接しねぇとますます怪しがられるぞ。出来んのか?」
するとハッとして
「今まで通りだろ?…出来るよ、多分…」
だいぶ動揺してんな、ぜってぇ無理な気しかしねえよ。
4人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まひろ | 作成日時:2017年10月31日 1時