燕子花

なつだ！プールだ！ ページ9

side青





朝晩ぐっと冷え込むようになって、そろそろ夏も終わり。



ってことで、この夏1番蓮のテンションが上がった、プールのお話でもしようかな。






その日は涼太がうちに来てくれて、晩御飯も食べ終わってのんびりテレビを見てた時だったな。





「ね、しょーた！これなに？」




「ん？あ、これプール。」





アニメの犬のキャラクターがプールでバシャバシャ遊んでるのを見て興味を持ったらしい。



「夏の暑い日にプールに入ると気持ちいいんだよ」



そう涼太が説明を付け加えると、れんもいきたい！ってその気になっちゃって。
じゃあ次の日曜日にでも涼太と3人で行こうって約束したんだけど、そしたらもう毎日「ぷーるいつ？まだ？」って俺にも涼太にも質問攻め。



ノイローゼになりそうだったわ笑





そして。


それから約1週間、ようやく約束の日曜日がやってきた。





「蓮ー！リュック持って！」





楽しみすぎて朝の五時に起こしてくるし、早く行きたくてまともにご飯も食べようとしないしでもう大変。笑



まるで催促するみたいに、準備してる俺の後ろをちょこちょこ着いて追いかけ回してくる。





「蓮、持ち物チェックしよ」



「あい！」



「水筒ありますか？」



「ある！」



「タオルありますか？」



「ある！」



「浮き輪は？」



「ある！」



「お着替えは？」



「ある！」



「よし、合格。車乗ろっか」





大体の荷物は自分で持ってもらって、水着は服の下にもう着てるし日焼け止めなんかは俺が持ってるし...って、俺も軽くチェックしたらいつものようにチャイルドシートに蓮を乗せる。





「しゅっぱつ！しんこー！」



「ん、でもその前に！まずは涼太のお迎えな？」





今日は蓮も大好きな涼太も一緒だから、もうテンションMAX。
興奮しすぎて怪我とかしないか不安だよ俺は。





車で行けば一瞬で着く涼太の家。立派なカフェの2階部分にあいつは住んでる。



見れば、もう玄関前で待っててくれて、窓から一生懸命手を振る蓮にニコニコして振り返してる。





「おはよ、翔太。蓮も」



「おう、後ろ乗って」



「りょーた！おあよ！」



「元気だね〜笑」



「蓮のやつ、楽しみすぎて朝からまじでうるせえの笑」





まあ普段は仕事も忙しいし、あんまり遠出とかお出かけとかしてやれてないから。

今日くらいは目一杯楽しんでもらいたいな。

.→←作者より

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す