燕子花

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side青





「えー、かえっちゃうのー...」




ひとしきり遊んだ後、明日も仕事だしってことで2人は帰ることに。
これはそれに拗ねて半べそかいてる蓮の言葉です。





「ふっかもひーくんも明日もお仕事だからさ、帰んなきゃいけないの。ごめんな？」





「うう...」





照の言葉に納得しなきゃいけないのは分かってるからか、反抗しないで悔しそうに俺の足に抱きついてきた。






「あー無理俺ここ住もうかな」




「何馬鹿なこと言ってんの」




「ほら、帰るよふっか



ごめんね蓮、また来るからな？」




「ぜったい、？」




「ん、絶対！ふっかさんと約束！」





ふっかが出した小指に蓮も小指を絡めて、ゆーびきーりげんまん、と小さく歌う。




全く、いつもの事なのに毎回お別れは寂しくて堪らないらしい。





「じゃ、またくるね〜」



「おう、ありがとな。蓮、ばいばいは？」



「ばいばぁい...」





なんとか手振って、ぱたん、とドアが閉まると悲しそうに俺の方を振り返った。





「また来てくれるから。ね？もう今日はねんねしよう」





ご飯の後照が蓮を風呂に入れてくれたお陰で、今日はもう寝るだけの状態。本当にありがたい。





「ん、ねんね...」




ねんね、と言われると眠くなってきたらしい蓮を抱き上げて寝室へ向かう。




この子は寝相が悪くて、落ちると困るからベッドじゃなくてマットレスを床に敷いて寝てる。

布団だけだと俺の腰が痛くてさ。笑




そこに寝かせて腰あたりをとんとんしていると、だんだん目がとろんとしてきた。





「きょお、うれしかったあ」




「ふっかとひーくん、来てくれたね」




「あのね、おふろでね、あわあわのうるとらまん、してくれたの」





シャンプーの泡で髪立てて遊んでくれたんだろうな。
3歳児特有の纏まらない言葉だけど、一生懸命話してくれるのが可愛くて。



眠くてぽやぽやした話し方。
もう目閉じかけてる。笑





「それでね、まりちゃんとね、」




「うんうん」




「ぼーるでね、...んん、」




話しながら気付いたら寝ちゃってた蓮。ボールで何したのかは、また明日聞こうかな。






「おやすみ、蓮」






少しズレてた布団を掛け直して、俺も目を閉じた。

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