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side青
「ちょっと、そんな言い方は、」
それは筋違いだ、と佐久間が注意してくれたが、相手はそれに聞く耳を持つ訳もなく。
俺がもう一度頭を下げると、満足したかのようにふん、と鼻で笑って帰って行った。
「ごめん佐久間、ちょっと2人にして欲しい」
佐久間はすぐに頷いて、部屋を出て行ってくれた。
俺は蓮に目線を合わせるように屈んで、できる限り優しい声色で話しかけた。
「蓮、ごめんねできて偉かったな。」
「...ん、ぐす、っ」
2人きりになって安心したのか、俺がもう怒っていないことが分かると途端に涙目になってぐすんぐすん言い出した。
「あーもう泣くなよ。笑
でも、なんでお友達に痛い事したの」
「ひぐっ、だって、だってぇ、」
「大丈夫だから。ゆっくり教えて?」
頑張って涙を拭いて、一生懸命伝えてくれた。
「らうにね、いやなこと、いったの、ばかあって」
蓮が拙い言葉で教えてくれたことによれば、あの子がいつも仲良くしてくれてるラウールくんの悪口を言っていたからだと。
らうがえんえんしそうだったから、と話す蓮がなんだか立派なお兄ちゃんに見えて、ヒーローみたいで、とても誇らしく思えた。
「ラウくんのこと守りたかったの?」
「っ、ん、」
「ふは、そっか。大事なお友達だもんな。
でも手は出しちゃだめ。何があっても。今度からラウくんが嫌なことされたら、やめてって口で言いなさい、な?」
「...あぃ、」
蓮から聞いたことを佐久間に話すと、佐久間はすぐに相手方へ連絡を取ってくれて、うちの子にも非があったと、素直に認めてくれた。
それから帰る支度をしにお部屋へ戻った蓮を待ってる間に、佐久間から心配の声を掛けられた。
「翔太、大丈夫?」
「何が?」
「いや、その...片親だから、とか言われてさ、」
「あぁ...まぁ正直結構きてるけど、片親とかそんなの関係ないって、蓮は分かってくれてるし。他の親になんて言われたって気にしねえよ。それに、俺には佐久間もふっかたちもいるしね」
「にゃは、そうだね。いつでも頼ってよ!」
俺を見る佐久間の目が母のような優しさをたたえているのは見なかったことにしようかな。なんて。
※かなり遅くなり申し訳ありません、大きな試験があったもので、、、
終わり ログインすれば
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こーちゃん(プロフ) - わたがしさん» こちらこそお読み頂きありがとうございます!大変遅くなってしまいすみません、、、楽しんでいただけていれば幸いです! (2023年1月2日 9時) (レス) id: d698c39c36 (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - リクエスト、書いていただきありがとうございました!蓮くんが終始可愛かったです! (2023年1月1日 20時) (レス) @page41 id: 4da5866121 (このIDを非表示/違反報告)
すっち - 保育園から友達に手を出したと呼び出しが。相手の親にも責められ、翔太くんは謝るように促すが頑なに謝らない蓮くん。しかし家に帰って話を聞くと、大事な友達であるラウちゃんが悪口を言われているのをみて助けたかったからやってしまった…というお話が読みたいです! (2022年11月8日 1時) (レス) @page33 id: f1612d84db (このIDを非表示/違反報告)
わたがし(プロフ) - 翔太君が仕事も育児も忙しくて、自分に余裕がなくなり、自宅で熱を出して倒れてしまうお話が読みたいです。蓮くんが倒れた翔太君を見て、頑張って舘さんに電話をして助けてあげるみたいな描写があると嬉しいです! (2022年10月22日 21時) (レス) id: 4da5866121 (このIDを非表示/違反報告)
こーちゃん(プロフ) - しろさん» リクエスト&お読み頂きありがとうございます!!これからも面白いお話書けるように頑張らせていただきます! (2022年10月11日 0時) (レス) id: d698c39c36 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:こーちゃん | 作成日時:2022年9月26日 22時