燕子花

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side赤





照や佐久間から連絡があったのは、どちらも夕方すぎの事だった。






店を少し早めに閉めようとしていた午後5時頃。
照からメールが入った。






『翔太、なんか体調悪そうだからもし行けたら様子見に行ってやってくんない？
最近忙しい時期で俺は行けそうになくて』






らしい。
元々そこまで身体が強いわけではない翔太だったが、最近は体調を崩すこともそんなになくなっていた。






「久しぶりに疲れが溜まっちゃったかなぁ」






とはいえ、店を閉める作業をしているバイトくんたちより先に帰るのは店長としてできないし、どうせ隠し通してちゃんと仕事全部終わらせて帰るんだろうからまだまだ家には居ないだろう、と踏んだ。







それから1時間30分ほど経って、そろそろ行くかな、って時に今度は佐久間からメールが届いた。






『だてさまおっちー！いきなりごめんね！
さっき翔太が蓮くん迎えにうちの園来たんだけどさ、翔太の顔色最悪なんだよね、だてさま家に行ってあげれたりするー？俺っちは延長保育の担当にされちゃって今日は帰れないのー！(＞_＜)』






なんて、文面だけでも伝わる元気の良さに若干押されつつも、彼の優しさに心が温かくなった。






本当に、こんなに心配してくれる奴がたくさんいるのに、翔太ってやつはいつまで経っても頼ることを知らないみたいだから困った奴だよ。






照と佐久間のメールにそれぞれ返事をして、いつも一人で抱え込んで無理しようとする幼馴染の家へ向かうべく家を出た。

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