燕子花

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side赤





スマホをいじりつつアイスコーヒーを飲みつつ30分くらい待ってると、向こうの方からりょーたー！なんて大きな蓮の声が聞こえる。



全く、目立つからやめてよ笑




あ、翔太もきっとやめろよ、なんてちょっと怒ってるっぽいな。笑





「おかえり、楽しかった？」




「うん！かおつけてね、きょーそーしたらしょーたにかったの！」



「すごいじゃん、蓮強いんだね？」




「んふふ、しょーたがよわいの」





えっへん、なんて腕を組んで自慢する蓮。きっと翔太が負けてあげたんだろうな、ご機嫌取りのために。笑



「蓮、ちょっと休憩したら次は涼太と遊んでおいで」



「翔太はもういいの？」



「ちょっと疲れたからり涼太交代。笑」



「ふふ、じゃあ少ししたら俺と行こうか」



「うん、れんあっちいきたい！」





プールが初めての蓮には興味を引くものがたくさんあるらしく、もう待てないとばかりに俺の腕を引っ張っている。




「蓮、休憩しないとしんどくなっちゃうから。俺飲み物買ってくるから戻ってくるまではお茶飲んで座ってなさい」




「んむ、はあい、、」





パパに怒られてしゅんとする蓮。不憫だけど可愛いな笑




少し不貞腐れたように水筒のお茶を飲む蓮が少し可哀想だから元気が出るお話でもしてあげようかな。
出店は割と並んでたし、もう少しは帰ってこないだろうし。






「ねえ蓮」



「...なあに」



「昔ね、翔太とプール来たことあるの」



「ここ？」



「うん、ここ。」



「しゅごい！りょーたとしょーたもきたの！」



「ふふ、うん。
蓮より少しお兄さんになった頃にね、お母さんたちと来たんだ」





そう、小学校に上がる頃だったかな。

帰りはぐっすり寝ちゃうくらい沢山遊んだ。
そしたら翌日、日焼けでお互い肌が真っ赤っか。翔太のやつ、少し服が擦れるだけでいたいいたいって涙目になっちゃってさ。

不憫だったけど、やっぱりなんか可愛かったな。笑




「だからね、休憩はしなきゃダメなんだよ？」




「んふ、たしかに！」




「おまたせ、思ったより並んでたわ〜。

よし蓮、行っといで」




「いってちましゅ！」

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