王立シエル魔法学院の日常【リレー小説】 (ページ24)

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日常「睡眠学習法」【ステファニー・ガーランド】ページ24

四限目をサボろうとしていたらどこかで見たことのあるパンを加えた少年が遅刻寸前で走っているのを見かけた。どこからツッコんで良いか分からない。
朝もこんな光景があったときいた筈だ。確かルーがロスト君がパンを咥えて教室に入っていったと。相変わらず律儀に三十分前に教室に入っていったそうだ。

……待って今日何が起きたの？
だって、え？三十分前に教室に入ったんだよね？何でパン加えてるの？？
あとそれ朝やるものだよね？何で今？
そして遅刻なんだとして向かっていったの階段だよね？教室じゃないよね？

もう色々言うことがありすぎてなにから言うべきなのか分からない。
多分疲れてるんだろう。そうだ、そうに違いない。

「ミア先生ベッド借りまーす」

保健室の扉を開けるが早いか私はそう言った。
失礼しますとかじゃなくて、ベッド借りますというサボリ宣言。
ミア先生だからこそ出来る行動だなぁ、とか思いつつ扉を後ろ手に閉める。

「あらあら、ファニちゃんいらっしゃい。ゆっくりしていってね」

「ふぁぁ……久々に朝の間に起きたら……眠くて。ロスト君がパンを咥えて走る幻覚を見るくらいだから多分寝不足なんだろうね」

おやすみなさいと言って布団を被れば、夢の国へ招待されるのに三秒かからなかった。
多分四限いっぱいは起きれないな。

「スーテーフー！！お昼なの！ご飯食べに行くの！」

見慣れた桃色の髪が視界に飛び込んでくる。
どうやらルーに起こされたようだ。多分保健室に来たのはミア先生目当てか、もしくは私がサボってるのも分かってのことか……何でも良いけども。
ミア先生に別れを告げ、ご丁寧にルーが持ってきてくれた弁当を手に取る。

「ステフまたサボリなの！？ちゃんと勉強しないと立派な人になれないの！」

「あのねルー。睡眠なくして勉強は成り立たないんだよ。徹夜で勉強しても頭に入ってこないでしょ。ちゃんと休めないと頭パンクするよ？」

「ルーは超優秀だからちゃんと寝てれば大丈夫なの！！」

普通の人も普通に寝て勉強してりゃ大丈夫だよ、というのは何時も通り言わずにいることにした。