王立シエル魔法学院の日常【リレー小説】 (ページ19)

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教室【ルーシー・ウィルキンソン】ページ19

教室の前で暫く立っていると、先程までの静かな時間とは打って変わって賑やかな教室の喧騒が聞こえてきた。
どうやらステフが術式を解いたらしい。
ちゃんと教室に着いているのだろうか。教室に入ったからと言って机で寝てたりしないだろうか。
色々悩みこそしたが、数秒後にはすっぱり諦めて教室に入った。

「おはようなのペッシュ！」

扉を開けてすぐに、見慣れたふわふわの金髪が目に入る。
何時もやっているように秒速でその影に飛びつくと、これまた相手も慣れたようによろけながら受け止めてくれた。

「あ、おはようルー！今日はどうかした？」

マシンガントークを始める。
話の内容は勿論ステフについてに決まっている。
ステフのことは実の姉のように思っている。いるけども、ステフの怠け癖にはルーも手を焼いているのだ。ルーがいなきゃステフは完全に廃人になるに違いない。そんなことはあってはならない。なんとしてでも防がなくては。

「ペッシュ！あのねっ、ステフが今日入学式なのに休もうとしてたの！しょうがないから布団から引っ張り出して連れてきたけどステフはルーが起こしにいかないといっつも寝てるし、嘆かわしいの……ルーみたいな超優秀な従姉妹がいなかったらどうなってたか！全くステフは＿＿＿＿」

「あーうんそうだねー」

途中からペッシュの相槌が雑になっていった気がするが、あまり気にならなかった。
というか、ステフの話をする朝は何時もペッシュが不機嫌な気がする。
……寝起きが悪いのかな？だとしたらルーがペッシュを起こしに……いやそれはダメか、ステフが爆睡して学校をサボる。うぐぐぐ……！どうしたら良いの！？

「へーうんすごいねーステファニー先輩たいへーん」

「本当なの！！ペッシュが居て良かったの！じゃなきゃルーは今頃ストレスで死んじゃうの！」

そう言うとさっきまで適当に相槌を打つだけだったペッシュの目が少し開いた。

「……！えへへ、そうでしょ！やっぱりルー好き！」

「どうしたの？でもルーもペッシュのこと大好きなの！」

◇◇◇

ごめんなさいペッシュちゃんのルーシーの呼び方は捏造しました。
もしなんかキャラが違うとか思ったらお申し付けください。