第九十四譚 ページ44
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氷室が逃げ込んだ建物は高層ビルだった。エレベーターはあるが、エレベーターでは止められてしまうおそれがあるだろうと、階段を上って逃げていた。
相澤も階段をぐるぐると上り、氷室のことを追いかけるが、氷室の姿を視界に捉える事が出来ない。体力がないわけではない。氷室が速すぎる。
元々、氷室は足も速いし、体力も人一倍ある。長距離型の、スタミナタイプの体だ。若さも相まって、おそらく持久力は氷室の方がある。
「相変わらず逃げ足の速い……」
いつだってそうだった。本気で捕まえないと逃げられる。こんな状況なのに、それを思い出してしまう。相澤はついつい笑った。
二十階を過ぎ、二十五階も過ぎる。一体どこまで続くんだと思ったが……三十階に到達すると、階段が無くなった。
相澤は息を切らしながら、キョロキョロと辺りを見渡す。氷室の姿がない。広いフロアで、扉がいくつもある。どこへ行ったのだろう。
「…風……」
広いフロアには、冷たい風が吹いていた。奥の方からだ。風の吹く方向へ足を運ぶと、重そうな鉄の扉が、少しだけ開いていた。
暗に…氷室が、『俺のこと追いかけて来て』『こっちだよ』と言っている気がしてならなかった。
本気で逃げるなら…扉を半開きにするなんてヘマを、氷室がするはずないのだから。
その扉に手をかけて、押した。
ヒュオ、と。冷たく強い風が、相澤の黒髪を揺らした。
そこは街を見渡せる屋上。氷室はそこに居た。フードは外れていて、真っ白な髪が月明かりに照らされて煌めいていた。
「……氷室」
「しつけーなあ…三十路のクセに。体力バケモンかよ」
氷室は振り返らず、夜の街を見下ろしながら、嘲笑気味に相澤に言った。
「お前もね。…捜したよ、無事で良かった」
「…無事？無事ねぇ…はは」
氷室は振り返り、顎を突き上げて相澤を見下ろすような態度を取る。
「なあ相澤消太。あんた酷い奴だよ。知っててずっと黙ってたんだなあ。俺の事」
「……お前…、まさか記憶が、」
「俺を除籍処分にしたのも、俺がろくでもない人間だからって、知ってたからなんだろ」
「それは違う。俺はお前に」
＿＿＿＿長く生きて欲しかった、だから除籍処分にした。そう言う前に、銃声が轟いた。
氷室が、歩み寄ってくる相澤に向けて撃ったものだ。銃弾は相澤の足元で弾ける。威嚇射撃だ。「それ以上寄るな」。そう言われているようだった。
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χCielχ(プロフ) - 夜空 -Night Sky-さん» ヤッターーー！！！！逆巻やったな推し入りだぞ！！ありがとうございます…佐藤拓也さんは…いいですよね…☺️ (2022年1月1日 19時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 雪月花さん» そうなんです…！逆巻についてもいつかちゃんとやりたいですね…！！おおおおおまわりさん！！！？？お巡りさん！！！推し警察お巡りさんありがとうございます逮捕！！！！(？？？？) (2022年1月1日 19時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
夜空 -Night Sky-(プロフ) - χCielχさん» とりあえず逆巻さん推しになりますね！()佐藤拓也さん...いいですね！あいそう！！ (2021年12月31日 11時) (レス) id: 532289bdd0 (このIDを非表示/違反報告)
雪月花 - χCielχさん» そうなんですね！いや〜逆巻さん………相澤先生と雄英で出会ったなんて………！逆巻さんと相澤先生ーーーーーーーーーーーー！！！！好きっすわ！！(推しが増えた。好きだと思ったら推しにする。これぞオタク)←お巡りさんこいつです！！このオタク危ない奴です！！ (2021年12月31日 2時) (レス) @page50 id: dcac8e28b5 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 雪月花さん» ふふふ逆巻は昔雄英高校の先生だったのもありそこで高校生の相澤先生と会ってたんです…！！(新情報)次の更新くらいには氷室が何を言ったのか明かすつもりです！！逆巻は意外とそうなんです…あと怖いところもあるのでおまわりさん！この男です！(？) (2021年12月31日 1時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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