第三十八譚 ページ38
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「は、『認めてやる』…な」
荼毘はそう呟いた。あれからしばらく話していた。途中で氷室が「眠い」と言い始めたので「じゃあ寝ろよ」と荼毘が返した結果、氷室は寝ている。
平たい岩場に上着を敷いて、焚き火の方を向きながら寝ており、単純に警戒心が無いなと荼毘は感じた。
氷室は本来、警戒心の強い少年のはずなのだが。
波の音と、パチパチという焚き火の音だけが聞こえる。
ふと。荼毘が立ち上がる。氷室が完全に寝入ったタイミングで、起こさないように。アジトまで着いてこられたら溜まったものじゃない。
「じゃあな、氷室雪弥。また会おうぜ」
それまでヒーローごっこでもしてな、と言うように、少し不穏に笑ってから…荼毘は氷室から離れていく。
黒いロングコートを靡かせながら、浜辺から姿を消した。
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「…、ろ、……氷室」
聞き慣れた声に呼ばれ、寝そべる体を揺さぶられる。その声と小さな衝撃で、氷室は目を覚ます。
少しだけ目を開ければ、蒼炎の焚き火が消えていた事に気付く。それもそうだ。蒼炎なんて荼毘くらいしかイメージがないのだから。
「…っくし！」
意識を持った瞬間に、ぶるりと体が震え、くしゃみが出てしまった。
「お前…どうしてこんなに濡れてる？何があった？」
少し心配そうに、氷室に声をかけている男性。それは相澤だった。
相澤は、夜になっても帰ってこない氷室に何度か電話をかけたが、出ないのでついには捜しに来てくれた。
氷室の現在地を見れば、荼毘の目撃情報があったという場所と近場だったため、余計に心配して来たのだ。
「……んー…いろいろ…探してたんだよ」
すこし寝ぼけながらも、氷室は上体を起こしてわしゃわしゃと自分の白い髪を触った。
ぼやぼやとしている氷室では、今何か聞いてもボヤっとした答えしか帰ってこないだろう。そう思った相澤は、状況を聞くことをやめた。後で聞こう。
「とっとと帰るよ。お前多分、風邪ひいてるから」
寝起きとはいえ、こんなに意識がボヤけるはずがない。おそらく熱を出している。
無理もない。そもそも気温が低い上に、氷室の服はびしょ濡れだ。…ただでさえ体温が低いのに。
相澤は氷室の腕を自分の肩に乗せて、歩き始めた。近くに車を止めてあるので、そこまで向かう。
氷室の足取りはなんとなくフラフラとしているが、…無事で何よりだ。氷室と接触して分かる。氷室の体は、驚くほどひんやりとしていた。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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