第三十五譚 ページ35
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「ダチなら何で俺の家あんなにめちゃくちゃにしてたんだよ」
「何の事だかな」
「とぼけんな」
氷室邸は確かにめちゃくちゃだった。だが荼毘は肩を竦めてはぐらかす。
「知らねえよ。そもそもあの家は三年前からあんなだったしなあ」
「…三年前に何があった？」
「それも詳しくは知らねえ。おまえが話さなかった。…だがまあ調べてみろよ。『静岡県在住一族殺傷事件』ってな」
氷室はすぐに、持っていた端末で事件の名前を検索する。すると、その事件と同時にヒットした…ある団体名。
「…『
「その『亡霊卿』って奴らが、おまえの家族を殺したと見ていいだろ」
荼毘は、淡々とそう告げた。氷室は、もしかしたら親に会えると思っていたのだ。親に会って、自分がただの家出少年である事を願った。
「おまえの家族は死んでんだよ、雪弥坊っちゃん」
舐め腐った態度で、追い討ちをかける様に荼毘が言う。しかし氷室は動じていない様子。
「んな気はしてたよ。あー、そういう事か。だからその『亡霊卿』ってのが引っかかってたんだな」
自分の家族を殺した、アメリカの指定ヴィラン団体。引っかかっていた原因が明かされ、少しだけサッパリした気持ちになった。
「……で？おまえは今何してんだ」
荼毘が不審に間を置いてから、氷室に問いかける。
「今ぁ？雄英高校のヒーロー科っつったら笑う？」
「ジョークか？」
「マジだよ。まあ半ば強制みたいなもんだけどなあ」
本気だと言うと、荼毘は可笑しそうに、静かに鼻で笑う。「そりゃ傑作だなァ」とどこか愉快そうにもしていて、まだ何か隠していると見て取れた。
「おまえの状況はよーく分かったぜ。
荼毘は、氷室以上に氷室の事を理解した。一人で全て理解したような顔をするものだから、置いて行かれた気分の氷室。
「は？待て荼毘、どういう事だよ」
「教えて欲しいか？」
「そりゃな」
「やァだね」
「おい殴んぞ」
氷室の貼り付けた笑顔が引き攣る。腹を立てても笑っていられるから、とても器用な少年ではある。
そんなやり取りをしていると、いつの間にか森が静かになっていた。鎮火もされ、おそらくは車もヒーローと警察が調べた後だろう。
「そろそろ行くか？」
夕日が沈みかけている頃だった。頭のモヤが晴れた氷室は、荼毘にそう持ち掛ける。
「いや、まだ。暗くなってからだ」
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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