第三十三譚 ページ33
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「運転出来るんだな、おまえ」
「記憶ぶっ飛んでも体で覚えてる事は忘れないって言うだろ」
「ガキのくせして運転出来んだなって意味だぞ」
「振り落とすよマジで」
何かあったらすぐに相澤に電話すると言ったな。あれは嘘だ。…いや、嘘ではない。電話する暇がないだけだ。
現在、地下駐車場に置いてあった高そうな車で逃走中。運転をしているのは、まだ十八歳にもなっていない氷室だ。
氷室はフードを被っている。万が一隣の荼毘って奴がとんでもない犯罪者だとしたら…共犯になってしまうからだ。だから顔を隠している。
「チ…、しつけーな…何したらこんなにゲロたくさんのサツとヒーローが追ってくるんだよ…！荼毘あんたナニモンだ」
「さぁなァ」
荼毘はくつくつと笑う。もしかしたらヤバいなんてもんじゃない男を乗せて逃げているのかもしれない。そう思った氷室だが、もうやってしまったことは戻れない。
なら逃げ切るまでだ。
後方の警察の射撃やヒーローの個性の嵐。氷室は自分でも驚くくらいの運転技術で、それを避け、加速する。
この歳で、こんな荒い運転を体が覚えてるってことは…やっぱり自分はろくでもない人間だったのだろうと思う。
「はは、上手い上手い」
隣の荼毘が、適当に氷室の運転を褒めた。「うるせえ黙れ」と荼毘に向かって暴言を吐く。
「おい。前見ろ」
と荼毘が前を指差すので何かと前を見ると、前にも複数のパトカーとヒーロー数人が見えた。
「またヒーローかよ、バカ多過ぎるだろ」
「逃げ場がねえなあ。どうする？やるか」
荼毘が手のひらから蒼炎を出し、窓から身を乗り出す。ヒーローを焼き尽くすつもりらしい。氷室はそんな荼毘の体を引き、車内に連れ戻す。
「やめろ」
「…は？おまえ」
「いいから任せろ。舌噛みたくなきゃ口閉じてな」
「任せろっておま、」
車体が急に傾いた。氷室が傾けたのだ。傾いた車体は進路を曲がり、道路からはみ出して崖の下へと落ちる。
崖はかなりの高さがある。このまま車内に居れば危ない。
「出ろ！荼毘！」
車が地面に激突する寸前で氷室は言った。二人は車から出たあと、高そうな車は壮絶な音を立てて転がり、爆発を起こした。
崖の下は森だった。爆発のせいで森に炎が広がっていく。おそらくヒーローは消火活動に夢中になるだろうし、森の中なら隠れやすいし逃げやすい。
荼毘の方は上手く脱出出来ただろうかと、氷室は荼毘の方へ向かった。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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