第四譚 ページ4
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氷室は大人しかった。捕縛布を解いても暴れる様子はない。やっと解放されたと言わんばかりに少年は溜め息を吐く。
相澤は安堵し、しばらくして車を走らせた。バックミラーで、後ろの席に座る氷室をちらりと気にかけながら走行している。
「あんた。雄英高校の教師だろ」
「そうだよ」
氷室が相澤に話しかける。しかしながら氷室は頬杖を付いて窓の外を見てばかりだ。相澤の方は見ようとしない。
それに口ぶりからして…おそらく氷室は、記憶がないんだろう。
「はは、ビンゴか。雄英生徒の制服ひっぺがした甲斐があったよ」
そう。氷室は元々、雄英高校の制服を着ていたわけではなかった。
色々あって雄英教師を誘き出すためにどうしたら良いか考えた末が、通りかかった雄英生徒の制服をはぎ取って自分が着て、騒ぎを起こし通報されることだった。
雄英生徒が騒ぎを起こしたともなれば、雄英高校に直に通報されると踏んだのだ。読みが当たったというわけだ。
「おい…、制服をひっぺがした生徒はどうしてる」
「俺の服貸してやってるよ。俺もそこまで鬼じゃ無いんでね。今頃ゲーセンにでも居る頃だろうよ」
「…無事ならいい。お前は？どうしてわざわざ制服着て騒ぎを起こした」
相澤の質問に、氷室はニヤリと口角を上げた。運転座席に手を置き、相澤の顔をのぞき込むようにして「知りたい？」と問いかける。
「危ない。座ってろ」
「へぶ」
相澤は、左の手のひらで氷室の顔面を押し、後部座席に押し戻した。氷室は押された鼻を擦りながら、またへらへらとして話し始める。
「メシ奢ってくれよ。そしたら話す」
「お前な…。いや、分かった。何が食べたい」
「なんでもいーや」
なんでもいいが一番困る。相澤はそう思って頭をかいた。氷室は何が好きだったか。それも分からない。氷室のことを全然知らないんだな、と。相澤は痛感する。
適当に見つけたジャンクフード店。年頃の男子なら好きそうなものだ。相澤はそこのドライブスルーを利用した。
「このまま注文に行くから、適当に興味あるもの頼め」
「まじ？やったー」
「ご注文お伺い致します！」と元気な女性店員の音声が聞こえた。氷室はにこやかにマイクに向かって、
「オネーサンのスマイルをテイクアウトで」
などとやたら爽やかに抜かしやがったので、相澤は捕縛布で氷室の口を塞いだ。
「すみません今の気にしないでください。普通にチーズバーガーで」
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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