第二十九譚 ページ29
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厳しい寒気。
氷室は雄英高校の外にいた。フードにファーが付いている温かそうなジャケットに黒いズボン。真っ黒な私服だ。
「おいおい過保護かよ。なんかあったら電話するしいいだろ。なんならGPSで追って来てもいーよ」
休日。とある駅を出た所で。氷室は相澤と通話をしていた。
このスマートフォンは、学校用のものだ。自分の端末は持っていないので、学校が連絡用に氷室に渡してくれた。
「なぁんてね、切んぞ。そんじゃ」
ブツ、と相澤との通話を切った。
「…さて。行くか」
氷室が行こうとしている所…それは実家だ。爆豪との戦闘で少しだけ思い出した記憶を頼りに、自分の育った家へ行こうとしている。
場所は静岡県。雄英から渡された携帯では調べ物も出来るので便利だ。
もしもの事があればGPSで追うから、携帯を肌身離さないという条件での外出。それが校長の判断だった。
「なぁオネーサン、この辺でデカい家っつったらどこ？」
氷室は外見だけは良いので、上手い笑顔で話しかければ皆好青年だと受け取る。
氷室の浮世離れした白さと綺麗な顔立ちに、話しかけられた女性は少しだけ言葉を詰まらせた。
「この辺で大きいのは多分…隣町のこの家しかないと思います」
女性は親切に氷室の持っている携帯のマップを指さして教えてくれた。
「へえ、親切にどーも。行ってくるわ」
「あ、でもこの家は、」
女性が言う前に、氷室は人混みの向こうへと行ってしまった。
不思議な魅力を放つ綺麗な人だった。初対面で短い時間にも関わらず、女性にそんな印象を植え付けた。
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マップの通りに歩いて来た。氷室は、目の前の見覚えのある大きな家…いいや、これはもう豪邸と言うべきであろう建物の前に立っている。
ここが自分の実家であるという確信は得ていた。
外観は綺麗だ。氷室はドアのノブに手をかけ、深呼吸をした。ここが自分の家なら、両親が居るはずだと。
両親に聞けば、自分の全てが分かるはずだ。そう思って、氷室は扉を開けた。…鍵が開いていたから、やはり中に人がいるのだろう。
「……は？」
その家の中は、真っ暗であった。玄関は荒れており、獣でも入ったのかと言うほど崩壊していた。
「な…んだよ。これ」
密かに氷室は、自分のことをただの家出少年か何かだと思っていた。少し荒れていただけだって。
一目で分かる。何かがあったと。今すぐ引き返したくなったが…、足を踏み入れた。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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