第二十二譚 ページ22
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氷室が地面の雪に手を触れると、雪は硬い刃のように変形し隆起した。
ピキピキピキ！と氷のような音を立てながら、雪の刃が爆豪に接近する。
爆豪はそれを爆破で砕き、本体の氷室に攻撃を仕掛けようとする。…だが。爆豪の目の前に氷室の姿はなかった。
背後から感じる圧倒的冷気。爆豪が勘付いて振り返れば、既に蹴り技を炸裂させている氷室がいた。
爆豪は氷室の蹴りを腕で防ぐが、回転した際の延伸力を利用した蹴りは中々に重かった。
「テメェそろそろ限界そうだなァ！俺ァまだやれんぞ！」
「俺の限界を決めてくれんなよ」
頬まで凍りついて来た氷室を見て、爆豪は不敵に笑う。いつもよりずっと爆発が出しにくい状況にも関わらず威力がある。
爆豪には、氷室に負けられない理由があった。
小さい頃、弱い者いじめをしていた爆豪を止めて居たのは、いつも緑谷か氷室だった。緑谷の事は簡単にぶっ飛ばせたが、氷室のことはぶっ飛ばせなかった。
小学生から暴走気味だった氷室の『豪雪』。氷室の放つ冷気は、爆豪の『爆破』を弱らせた。いつも、いつもいつも。
『壁』だった。氷室の存在が。直接負けた訳ではないが…弱点を思い知らされた相手だったのだ。
＿＿＿＿俺には、こいつを越えたっつー
「はっ…なぁに怒ってんの勝己。俺が何かしたかよ」
氷室がへらへらとした笑みで言う。相変わらず目が笑っていない。
氷室の脚と接触している爆豪の腕が、またピキピキと凍てつく。腕を振って氷室の脚を払う。氷室はよろけたが、身軽そうに宙返りをして体勢を立て直す。
氷室は、こんなに個性を使ったのは一年ぶりくらいだ。相当訛っているし、早々に体が凍ってしまっている。
意識が朦朧とし、視界が霞む。上手く状況を把握出来ないままでいると、爆豪に首を掴まれてそのまま地面に叩き付けられてしまう。
「ぅ、…っ」
「テメェ、個性制御出来てねェじゃねえか。センパイの意地くらい見せろや」
爆豪の下の氷室は、既に意識がないように見えた。強がっていただけで、本当は限界だったのだろう。
「オイコラ…、まだ終わってねェぞ。おい！雪弥！！」
これっぽっちも勝った気がしないのだ。爆豪は氷室の胸ぐらを掴んで、グラグラと揺らした。氷室が起きる気配はない。
雪が止んで、太陽の光が差した。氷室が完全に意識を手放した証拠だ。爆豪はただ…悔しそうな顔をするだけだった。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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