第二十譚 ページ20
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本来なら。どうでも良かった。氷室は負けず嫌いで、目の前の相手にどうしても勝ちたい性分だ。
だが。氷室は自分の上着を脱ぎながら、走って蛙吹の元へ向かう。氷室の上着はカイロのように常に暖かいデザインになっている。
その上着で蛙吹を包み、抱えた。
「ちょっと揺れるよ」
氷室は自分の足元から雪を大量に生成し、まるで轟が氷でやるような要領で、素早く地面を滑って移動した。
複雑な建物を利用し、爆豪を撒く。雪の跡で追われないよう、途中からは走る。体力ならゴロツキ生活で培った。
氷室は細身で、力はそんなにない。氷室はどちらかと言えば、長距離型の筋肉なだけだ。持久力なら人一倍ある。
上手いこと爆豪を撒いた後。建物の中に蛙吹を寝かせ、ゆさゆさと揺らした。一階だとすぐに見つかってしまうので、建物の二階に居る。
「おい、あんた平気かよ。生体まで蛙なのは知らなかったんだわ」
「ケロ…大丈夫よ。言ってなかったもの。ごめんなさい」
氷室のあったかいコスチュームで、少しだけ復活した蛙吹。話せるくらいにはなっている。
蛙吹の粘液すら凍りついてしまうような、氷室の冷気。寒さが弱点である蛙吹と組ませたのも、また相澤の策だろう。
「ここに居ろよ、あんた」
「それは出来ないわ。私もヒーローよ、氷室ちゃん」
「俺はこの辺りの気温をまだまだ下げるつもりだよ。じゃねえと勝てないし」
少しだけ戦って分かった。爆豪勝己は間違いなく強い。氷室がゴロツキだった時に、毎日相手にしてたチンピラ共とは訳が違う。
「何もするなとは言ってねーよ。俺があいつを弱らせるから、その時に攻めてくれって事。それ、あったけぇだろ。動けるか」
氷室は自分が貸した上着を指さして言う。
「ええ。まるでこたつみたいね」
「な？回復したらそれ着たまんまでいいからさ。頼んだ」
＿＿＿＿氷室は。蛙吹の救出と爆豪に対する勝利の道筋。どちらも選んだのだ。どちらも捨てなかった。
「分かったわ」
「よし。んじゃ行ってくるわ」
氷室は立ち上がり、窓の方へ向かう。
「…氷室ちゃん、その腕」
暖かい上着が無くなった今。氷室の身体が少しだけ凍りついていた。個性の影響だ。使いすぎるとこうなる。
「心配すんなよ、慣れてっから」
不敵に笑ってから、氷室は窓から飛び降りた。
氷室のヒーローコスチュームはこちらから
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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