第十七譚 ページ17
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「勝己、ねぇ…」
昼休みになり、氷室は屋上にいた。
安全面のため、屋上と空を仕切る塀にもたれながら、空を眺めている。
留年初日。全人類を煽りにいくような性格だ。元々人付き合いがそう上手くない氷室には、皆で食堂で食べるなど到底不可能で。
昔、自分が爆豪のことを『勝己』と呼んでいたことに我ながら意外さを感じながら、牛乳パックを飲んでいた。
ずごご、と牛乳を飲み干した。いつもならその辺にポイと捨ててしまうのだが、雄英高校は綺麗に掃除されていて、捨てる気にならなかった。
無意識にストローをがじがじと噛んでいると、屋上の扉がキィ…と音を立てて開く。…どうせあいつだろうなと思った。
「…やっぱりここに居たか」
相澤だった。今この場に他の誰が来ても氷室は警戒しただろう。しかし、相澤が来て不思議と安堵してしまった。そんな自分に腹が立つ。
「なァにしに来たんだよ、先公。俺ばっかに構うの贔屓なんじゃないの」
「教師は生徒に平等に構うんじゃなくて、生徒を平等に導くために居るんだよ。勘違いするな」
「は、教師くせ」
「一応俺も教師だからね」
ガサガサとビニール袋の音を立てながら、相澤は氷室に近づく。氷室の隣まで来ると、氷室がストローを齧って居るのが見えた。
心理で言うと。無意識にストローを噛むのは、『自分を見て欲しい』『さみしい』『甘えたい』などである。
特に心理学に詳しいわけではない相澤であるが、そういう事を聞いたことがあった。
「…氷室」
いつもと変わらない。だけど、どこか優しげな相澤の声に、氷室は少しだけ警戒した。なんだよその声は、と。
「…あ？」
「食べるか？」
ビニール袋から、おにぎりを取り出して言った。氷室はおにぎりを見て、相澤の顔をちらりと見たが、フイとすぐに顔を逸らしてしまう。
「あんま腹減ってないからいーや」
「栄養不足だと言われただろ。一個でいいから食べな」
「牛乳飲んだし」
氷室が受け取る気配はない。牛乳だけでは足りないだろう。それに午後はヒーロー基礎学だ。食べないとバテてしまう。
何なら食べてくれるだろうと、相澤は別のものを取り出した。
「何それ」
「俺がよく飲んでる」
それは十秒でエネルギーを蓄えられるゼリー飲料だった。氷室は「あんたのが無くなるじゃん」と言ったが、「いいから」と渡される。
こんなもんで済ませてるなら、この先公も栄養不足そうだな。そう思った。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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