第一譚 ページ1
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相澤消太には、忘れられない生徒が居た。
…いや、生徒の事を忘れた事はないのだが、特に後悔の念が強い生徒の話だ。
その生徒は、一年前相澤が担任していたクラスの一人だった。
＿＿＿＿一年前。
「お前を除籍処分とする。氷室雪弥」
「…どういう、意味」
「そのままの意味だよ」
相澤が一番最初に除籍宣告をしたのは、氷室雪弥という男子生徒だった。氷室は成績優秀、真面目で大人しい生徒。
ただかなり、自己犠牲が過ぎる。最初から命を落とす覚悟で挑むような少年。
『自己犠牲』と『命を落とす事』は同義ではない。相澤は、生徒には長く生きて、活躍して欲しいのだ。
だから文字通り、氷室には一度社会的『死』を与えた。
「明日から学校に来なくていいよ」
相澤は落ち着いた口調、そして無表情で氷室に告げる。氷室は赤い瞳を見開いて、去ろうとする相澤の服を掴む。
「なんで…、何でですか。理由を教えてくれませんか」
「簡単だ。見込みゼロだからだよ」
相澤にそう言われた途端、氷室は悲痛な顔をしてから俯いた。ゆっくり相澤から手を離して、小さな声を放つ。
「……そうですか。…分かりました」
氷室の真っ白な髪が、彼の顔を隠す。おそらく白い髪の下では痛々しい顔をしているんだろう。相澤とて無感情な訳では無い。心苦しさはある。
しかし、将来氷室が過度な自己犠牲の末に、無駄に命を落とすことに比べれば。どうって事ない。
「今まで、お世話になりました」
氷室は相澤に礼を言ってから、除籍処分となったショックからか、ふらふらとした足取りで廊下を歩いていった。
除籍処分となったあと、荷物をまとめて家に帰ろうとした氷室は……事故に遭ってしまう。
ふらふらとした足取りに加え、下ばかり見ていた事で、信号の色に気づかなかったのだ。何かもうどうでもいいや、とも思ったんだろう。
何とか一命を取り留めたものの、氷室は脳を損傷してしまう。相澤は何度か見舞いに来たが、氷室は目を覚まさなかった。
＿＿＿＿ある日。相澤が病院に見舞いに来た時だった。
「五〇三号室の氷室雪弥の見舞いに来たんですが」
相澤は受付の女性に声を掛ける。女性は慌てていた。やけに病院内が騒がしいなとは思っていたが。
「氷室雪弥くん、今朝から…姿が見えないんです。警察にも連絡して捜索しているのですが…どこにも」
その日突然に。氷室雪弥の姿が消えた。
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χCielχ(プロフ) - やっさんさん» そうです〜！！氷室編で出すかどうか今は迷っております〜ややこしくならないよう心がけます💪 (2021年11月27日 0時) (
レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - 瑠李さん» ｱ!!ありがとうございます！！(*´╰╯`)楽しみに待ってくれているのだなと思えるだけでとても力になりますありがとうございます！頑張ります！！ (2021年11月27日 0時) (レス) id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
やっさん(プロフ) - へ！？逆巻さんて、あの、時間巻き戻しの逆巻さんですね(^^♪。活躍場面は、あるのでしょうか(^^)？ (2021年11月26日 22時) (レス) id: a424e1a16c (このIDを非表示/違反報告)
瑠李(プロフ) - めっちゃ好きです˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚読んでます。更新いつも楽しみに待っています。頑張ってください。応援してます。 (2021年11月26日 18時) (レス) id: 9824e2f221 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - あのさん» ありがとうございます〜！！男主に触れて下さり嬉しいです！コメントとても力になります…！頑張ります！！！ (2021年11月26日 1時) (レス) @page47 id: 6fa1655de3 (このIDを非表示/違反報告)
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