Necromance13 ページ13
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「いや、危なかった!流石に死ぬかと思ったよ」
武装探偵社の医務室にて。与謝野は藤崎の壊れた内臓等を異能で治癒した。先程まで顔を歪めて笑っていたが、今は嘘みたいに
ケロッと笑っている。
「何が『危ない』だい。自分でした事じゃないか」
与謝野は溜め息を吐き、藤崎が横になって安静にしている寝台に腰掛ける。ギシ、と寝台の軋む音がやけに響いた。
「アンタは
「うん、有難う。あきちゃん」
藤崎は与謝野の事を、昔から変わらない愛称で呼ぶ。
『与謝野晶子』の『あき』を取ってあきちゃんだ。二十五歳にも
なってあきちゃんは本人からすれば気に障る。
「あきちゃんはよしなって、何度も云ってる筈なンだけどね」
「え?何で。可愛いじゃんか」
へらへらと呼吸をする様に誑す藤崎の顔に、自身の顔をずいと
近付ける与謝野。そしてビシッと人差し指を藤崎に向けて差す。
「善いかい?アンタのそう云う所が気に食わない。これも何度目だ。ねェ?藤崎」
さらりとした黒髪が、藤崎の頬を擽る。それ程に距離が近い。
藤崎はその近い距離に少しばかり驚き、目をぱちくりとさせた後に艶やかに笑った。
「近くない?」
「アンタがそれを云うかい。何、何時かのお返しさ」
与謝野はそう云い捨てた後、直ぐ様 距離を取って目を逸らす。
藤崎はうーんと悩んだ様子を見せる。『何時かのお返し』とは何の事だろうかと悩ませる。
「えっと、俺あきちゃんに何かしたっけ」
少し申し訳無さそうに聞く。記憶に無いのだ。
「…それ本気で云ってンのかい?」
「あきちゃん程に綺麗な子に何かしたなら、俺絶対覚えてるよ。あ、待ってごめん判った酒だ。絶対酔ってた。絶対酒です」
それを笑いながら云うのだ。ブツ、と与謝野の何かが切れた音が…した気がした。だが与謝野は笑顔。凍り付く様な、引き攣った笑顔を藤崎に向けている。
大きめの
「よし、あきちゃん。話し合おう。先ず人間と云うのは誰にでも失敗はある。あるんだ。確かに俺はさ、変な所で馬鹿力だって善く云われるから逃げられなかったんだろう、ごめんね。何処までやらかしたか判ら無いけど責任取るよ。結婚しよう」
「死んだってアンタだけは願い下げだ、下衆野郎」
大きな鉈が振り翳される。こうして探偵社が震える解体ショーが始まったのである。
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【要注意人物】
藤崎翔:年齢27歳。身長175cm。体重58kg。彼の詳細を公にすれば、街の均衡が乱れる可能性が大いにある為、詳細は厳重に保管、或いは消去済みである。
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χCielχ(プロフ) - 奏汰さん» ありがとうございます〜〜!!嬉しいです!!!! (2019年7月19日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
奏汰(プロフ) - めちゃくちゃ好きです。 (2019年7月17日 2時) (レス) id: d623967004 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» だめですねぇ笑笑←藤崎の方がいい匂いするらしいです( ˇωˇ )(煙草臭除けば) (2019年6月26日 1時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
ロト - χCielχさん» わーい!いい匂いだ〜!素晴らしいなぁ〜!!みたいな感じで天に召されてくれませんかね、幽霊さんたち。……ダメですか?(´・ω・`) (2019年6月11日 0時) (レス) id: d74fa5c180 (このIDを非表示/違反報告)
χCielχ(プロフ) - ロトさん» いい匂いになるだけですね!? (2019年6月2日 10時) (レス) id: 7ff5a81624 (このIDを非表示/違反報告)
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