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時間が流れるのは早いもので、いつの間にか外は茜色に染まっていた。時計の針が上下を刺して一直線になっている。
「はー……めっちゃ楽しかったわ」
「良かった。私も凄く楽しかったよ」
もうすぐで夜が訪れるし、彼女の両親も帰ってくると言うことで今日の遊びはこれまで。帰ろうとゾムが玄関で靴を履き始め、その姿を見送りに来たAが見つめている。
やっぱりあのゲーム最高だな。うん、私も大好き。ああそうだ、次いつヴァーテやる？ 私はいつでも。じゃあ明日のいつもの時間でいいか？ 分かった。
まだ興奮の熱が残るような声でそんな会話をしている内に靴を履き終わったゾムが立ち上がる。振り向くとほぼ同じ目線の高さになった彼女と目が合う。
「今日はありがとな。あ、いや……今日も、か」
こちらこそいつもありがとう。嬉しそうな声で彼女がそう応えた。今日一日自分のやりたいゲームばかりをしていたので、ゾムは彼女に対して正直申し訳なさを感じていた。しかし彼女のその様子を見る限り楽しんでもらえたようでほっと胸を撫で下ろした。
「ホント、ゾム君とゲームするといつもあっという間に時間が過ぎちゃうね。もっと遊びたいのになあ」
「えっ……」
彼女の思いがけない言葉にゾムは目を丸くする。何故なら、偶然にも自分も彼女と同じ気持ちを抱いていたからだ。
ゲーセンに居る時もオンラインで遊んでいる時も、終わりの時刻が迫ってくるといつも思っていた。もっと遊びたい、もっと時間が欲しいと。別れた後は次に遊べる日を心待ちにして一日を終える。
彼女もそう思っていてくれたことが分かり、ゾムは胸の中がくすぐったい感覚に襲われる。「せ、せやなあ」と同時に少し照れ臭くなり、つい顔を逸らしてしまった。
「えっと……ねえゾム君、エンデルの続き、やりたい？」
「え？ え、そりゃあ、出来るならやってみたい、けど……」
「じゃあ時間が合ったらまた家に遊びに来ない？ エンデルもやって、次は違うゲームを一緒にやらない？」
彼女からまさかの二度目のお誘い。今度こそ驚きを隠せなかったゾムは口をあんぐりと開けた。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
