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「……ゲームのキャラクターデザイナーになりたい、と思っててね」
「へえ、そうなんや！」
ゾムは凄いやん、と正直な気持ちを吐き出した。そんな背中を押してくれるような彼の明るい声にAは照れ臭そうに視線を逸らした。
何でその職業を目指そうと思ったのか。やはりゲーム好きが高じてなのか、などと次々と質問を投げ掛けるゾムに戸惑いながらも彼女が答えていく。一通り気になったことを教えてもらった彼は最後に、はえー、と感嘆の声を漏らした。
「ちゃんと将来考えてるんやなあ」
「そういう鳥井君はなりたい職業とかあるの？」
うーん、と眉を寄せたゾムが腕組みをする。
「実は今の所特になくてなあ……」
「そうなんだ。やりたいこととかないの？」
「……せやな。俺はとりあえずこれからもゲームが出来て、あいつらとつるめるんやったら何でもええかな」
確かに将来を考えるのも大事だ。けれど今は目の前のことを精一杯楽しんでいたい気持ちの方が大きい。友人達が行きたい道を聞いてから自分の未来を考えても、きっと遅くはないだろう。
そんなふんわりとしたイメージ、彼女の夢に比べたらきっと大したことのないもの——けれど今の彼にとってはそれが何よりも大事なことだった。
Aもそれが彼の正直な気持ちだと悟ったのか、特に何かを言うでもなくただ、そっか、と微笑んだだけだった。
「てかAさんって真面目やと思ってたけど、授業中に絵描くとか案外そういうとこもあるんやね」
彼女から漂ってくる同類の匂いに思わずにやけ顔になるゾム。それを見てAは「うっ……」と言葉を詰まらせた。
「い、いつもやってるわけじゃないからね！ その、アイディアとか思い付いちゃうと、すぐ描きたくなると言うか……」
またその話をぶり返されてあたふたし始める彼女の様子にゾムは相変わらず楽しそうに笑った。
次の授業まで、あと少し。
○
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
