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○その結果に瓶底眼鏡の男子も拳を突き上げて喜び、フードを被った男子はそれよりもともかく腹一杯笑わせてもらえたことに満足気な表情を浮かべていた。
もう一戦するかどうか、対戦相手を変えるかどうか等と話し合いが始まる中、ゾムはふと視界の端で動いたものに目を向けた。捉えた瞬間、それが見慣れた色だと気付いた。
あれは——同じ高校の制服だ。
その人物の動きに合わせてスカートの裾がゆらゆらと揺れる。店内をゆっくりと見回すその姿は何やら探しているのか、それとも悩んでいるのか。
見た所一人のようだ。こんな場所に女子生徒が一人でいる所なんて初めて見た気がする。と言うか、女子ならこういう場所に来る時と言うのは普通複数人で、しかもお目当ては大抵友達と小さな写真を取ることだろう。
ああいう女子もいるのか。珍しい、とゾムは心の中でそう素直な感想を呟いた。
何となく気になって、果たして彼女が何を選ぶのか、言い合う友人達の言葉を片耳で聞きながらその行方を見守る。
すると彼女が何かを見つけたようで、立ち止まり体を横に振り向かせる。おかげで彼女の横顔が見えるようになった。
その瞬間、ゾムは思わず目を見開いた。
あれ、あの女子って、確か——。
見覚えのある顔。自分の記憶違いでなければ、おそらく彼女は。
しかしその記憶はあまりにも不透明で、それが本当に正しいのかとゾムは次第に自信が無くなっていく。思わず眉を顰めて、何とか頭の奥底から彼女の姿を引っ張り出そうとする。
そうしている間に、彼女は筐体の群れの中へと姿を消していった。
✳︎✳︎✳︎
朝の校内は既に賑わいを見せていた。
次々と登校してくる生徒達で溢れる昇降口。立ち話に花を咲かせながらすれ違う友人に挨拶を交わす声が響く廊下。無論教室内もそれに似たような風景が広がり、ＨＲ前の自由時間を皆思い思いに過ごしている。
そんな活気溢れる校内、変わらない日常を横目にゾムは自分の教室に向かって歩いていた。少しだるそうな足取りで、大口を開けて欠伸を零しながら。
「おっ。ゾムじゃん、おはよ」
「おー」
教室が立ち並ぶ廊下ではクラスメイトや一年生の時に同じクラスだった同級生から声を掛けられる。そんな彼らに適当に挨拶を返しながら歩く速さは緩めない。
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抹茶ちよこ(プロフ) - 瑞稀さん» コメントありがとうございます！面白いと言って頂けてとても嬉しいです！これからもどうぞ温かい目で見てやって下さい。ありがとうございます！ (2022年4月17日 12時) (
レス) id: ea5fcbb4a4 (このIDを非表示/違反報告)
瑞稀(プロフ) - うわぁ〜〜！！本当に面白いです！！まさかのライバル？！誰なんだ…続きも楽しみにしてます！ (2022年4月15日 0時) (レス) @page39 id: 503fd2a4ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：抹茶ちよこ | 作成日時：2022年3月14日 15時
