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程なくして、新千歳空港に到着した。
降りた時の感想は、"寒い"であった。
全員が降りたことを確認し、生徒は荷物を取り始める。
「A〜！！」
透目と世間話をしているAのもとへ、百合が走ってやってくる。
「いたいた〜！探したよ〜、あ、1人席どうだった〜？」
ニマニマ顔を緩めながら話しかけてくるが、内容が一切入ってこない。
百合は、………もしかしたら………
爆豪のことが______
好きなのではないか。
そう考え出した途端、全てが線になった気がした。
百合の今までの態度も、全部全部。
だとしたら聞いておかなければならない。
「A？どうした？飛行機怖かった？」
百合がいつも通り話しかける。
「…………」
透目も何が言いたげだが口を開かない。
「あー、うん！ちょっとね！疲れたっていうか、」
_____私のバカ。
誤魔化した。
聞く勇気が出なかった。
もし言って、事実だったら？
親友ではなくなる？
それとも爆豪から身を引く？
でも聞かなければ今のまま。
けれども口が開かない。
声に出ない。
言えない。
「Aちゃん」
透目の発言に肩を上げる。
透目から何か切り出されたら…と不安がよぎる。
「これから、クラス別行動やから、じゃあね」
『……あ、うん』
ホッと息をつきつつも、安心できない。
透目の後ろ姿を眺めながら、百合が話しかけてきた。
「A、なんかされた？」
『えっ…いや……』
「なんかあったら言ってよね？」
『…………うん』
_____言えないよ…。
「大通公園、楽しみだね」
『………そだね』
まともに百合の顔を見れなかった。
バスに荷物を詰め込み、札幌市内へと向かう。
旅館は逆方向なのだが、1日目の観光は札幌市へと向かう。
こういう時、バスの運転手さんはすごいなと思う。
12月ということもあり、雪がシンシン降り積もっていく。
____冬だなぁ。
バスに乗り込みながらそう考えた。
「A、ポッキーいる？」
『…うん』
百合と座席が隣であり、お菓子をいただく。
皆がお菓子を配り、食べる。
こういうところが修学旅行ぽいな、と再確認する。
修学旅行はまだまだ、
_____始まったばかりだ。
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作者名：おにぎり。
| 作成日時：2021年10月23日 11時
